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原作者が批判するのも分かる。僕は嫌いじゃないけど:映画評「ソラリス」
森泉岳土さんが漫画を描いた「ソラリス」を読んだときに、
「そういえばソダーバーグの<ソラリス>はまだ見てなかったなぁ」
と思い出して見てみることにしました。
ソダーバーク、まあまあ好きなので。
興行成績はいまいちだったような記憶が… .。
でも僕はそれほど嫌いじゃないですね。この作品。
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<概要>
『ソラリス』は、2002年にスティーヴン・ソダーバーグ監督が手掛けたSF映画で、スタニスワフ・レムの小説『ソラリスの陽のもとに』を原作としています。この作品は、1972年のアンドレイ・タルコフスキー監督による『惑星ソラリス』のリメイクでもあります。
物語は、惑星ソラリスの周回軌道上にある宇宙ステーション・プロメテウスからの連絡が途絶え、心理学者のクリス・ケルヴィン(ジョージ・クルーニー)が調査のために派遣されるところから始まります。ステーションに到着したケルヴィンは、乗組員の異常な状況や、亡くなったはずの妻・レイア(ナターシャ・マケルホーン)に酷似した存在と出会い、現実と幻想の境界が曖昧になる体験をします。
ソダーバーグ監督は、この作品で人間の記憶や愛、喪失といったテーマを深く掘り下げ、独自の映像美と静謐な語り口で描き出しています。また、原作者のレムはこの映画化に不満を示し、ポーランドの新聞でその理由を説明するエッセイを発表しました。
(ChatGPTサーチ)
作者のレムがこの作品に関しては批判をしてたようですけど、まぁそれも当然かなぁと言う気がします。
原作あるいは、タルコフスキーの映画の中から主人公とそのパートナー(?)のラブストーリーに焦点を当てた作品になっていますから。
ストーリーとしても、主人公たちの地球での生活時代の回想パートナーが結構なウエイトになってて、原作からかなり逸脱しています。
その一方で「ソラリス」や「海」の描写はほとんどなくて、ハードSFの要素はかなり削ぎ落とされています。
原作者としては、「これは別物だ」と言いたいところでしょう。
ただ、まぁ「別物」と考えれば、これはこれで悪くないんじゃないかなぁというのが僕の感想でした。
こういう雰囲気僕は結構好きなんですよね。
スタイリッシュでそれでいて、センチメンタルな画面を、当時40歳のむちゃくちゃオトコっぷりの良いジョージクルーニーが押さえます。
その最適な部分は、回想シーンのパートに端的に現れていて、まぁそれは原作にはないシーンだから「別物」と言えば全く別物なわけです。
脚本も書いているソダーバーグが、原作のどこに惹かれたのかはちょっとよくわからないけど、もしかしたら彼がインスパイアされたのはタルコフスキーの映画の方だったのかもしれません。
よう知らんけど。
ただ、まぁせっかく映像化するんだったら「ソラリスの海」をやって欲しかったなぁっていうのはあります。
森泉さんの漫画を見ると、なおさらそんな気分になりますね。
そういう意味じゃレムがタルコフスキーやソダーバーグの映画に対して不満を持つと言うのも理解できます。
うーん、この点に関しては、そういう視点での映像化ってのもの今後あってもいいような気がするんですけどね… 。
キャメロン(本作では製作)とか自分でやってくれんかなぁw。(アバターで忙しいか)
傑作じゃないし、タルコフスキーに比べてもエンタメ寄りすぎて1段落ちるような気がします。
僕はまぁ嫌いじゃないけど、お勧めするかと言うとちょっとどうかなぁってところですかね。
ジョージ・クルーニーファンは見てもいいと思いますよw。
#映画感想文
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