ちゃんと志らくさんの落語も聴かないとなぁ:読書録「師匠」
・師匠
著者: 立川志らく ナレーター:岡哲也
出社: 集英社(Audible版)
考えてみると、志らくさんの落語ってまともに聞いたことがないんですよね。
本書を聞いてみて、志らくさんが落語を熱心にやってた時期と私が落語聞いた時期が微妙にずれているので、そこら辺が理由なんだろうと思います。
大阪で落語会をやってないって言うわけじゃ無いようですが回数が志の輔さんや談春さんに比べても少ないっていうのもあるんでしょうかね。
本書が評判になってるの知ってたんですけど、そういうこともあって特に読もうとは思ってなかったんですけど、Audibleになってるのを見かけて聞いてみました。
聞き終わって、
「やっぱりちゃんと志らくさんの落語を聞かなきゃなぁ」
って言う気分になっています。
<本の概要>Amazon
師匠・談志への熱き想いが胸に迫る人気落語家の自伝的エッセイ。
天才にして革命家、そして私の師匠――立川談志。世間からのイメージは破天荒で、毒舌家で、タレント議員の走り。ただ落語中興の祖として実力は折り紙付きで、圧倒的な存在感を誇った落語家だ。そんな談志に、大学在学中に弟子入りした立川志らく。まさに「前座修業とは矛盾に耐えることだ」と言わんばかりの理不尽な試練に耐える下積み修業時代。そして、芸道に邁進し、二つ目、真打ちへと昇進していく日々には、師匠への尽きせぬ憧憬の念と、親子関係をも凌駕する師匠から弟子への愛に溢れていた。しかし、そんな関係も永遠には続かない。2011年11月21日、談志は享年75歳、喉頭癌で逝去。伝統芸能の世界において師弟の別れはない。肉体は消えても、その精神や芸は弟子たちの体に宿り、次代へと伝わっていく。志らくのなかに談志はまだ生きているのだ。
もともと談志さんの落語は好きじゃなくて、金原亭馬生の弟子になりたいと思っていたのを、馬生さんが亡くなった後、葬儀の日に談志さんの落語を聞いて、そこでちゃんと落語せずに馬生の思い出を語っている談志さんの姿を見て、弟子になろうと思ったのが、志らくさんの落語家への第一歩とのこと。
談志の「芝浜」を聞いて弟子入りを決意したと言う志の輔・談春の話もいいけど、落語じゃなくてその人柄や姿勢に惹かれて弟子入りを決めたって言うこの志らくさんの話もなかなかいいですね。
志の輔はソフトな談志を目指し、
男子は談志の芸を深めていこうとし、
志らくは丸ごと談志そのものを追いかけている
志らくさんのこの見立てが妥当かどうか分かりませんが、まぁなんとなくわからなくもないかなぁって言う気がします。
だからってコメンテーターやワイドショーのMCなんかをやるのがいいのかどうかはちょっと僕にはわからないですw。
そっちの方面に行くには、もうちょい愛嬌が欲しいなぁっていうのが僕の感想ですかね。
いやだからどうだっていうのでもないんですけど。
「赤めだか」では描かれなかった談志さんの最期の頃まで描かれています。
あぁ談志だよね。
って感じかな。
もちろんそこには志らくのバイアスが入ってるんでしょうけど、それも含めて談志だなぁと。
そして、志の輔、談春、志らくと言う弟子を残した談志さんは、それはそれで幸せだったんじゃないかなって言う気がします。
少なくとも落語好きにとっては幸せなことです。
その次の世代がどうなるかまぁこれはわからないし、僕がどうこう言うことでもないかな。
できれば志らくさん自身が語ってくれるとよかったんですけれども、それはまぁ期待し過ぎと言うものでしょう。
なかなかナレーターも良かったと思います。
こうなると、次はやっぱり落語を聞かせてもらいたいところですね。
チケット取れるかな。
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