上機嫌で…が僕の心には残っています:読書録「経済評論家の父から息子への手紙」
・経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて
著者:山崎元
出版:Gakken
2024年1月1日に逝去された山崎元さんの遺作。
東大に入学された息子さんへの手紙をベースにして、「仕事」と「お金(投資)」のことを書かれています。
「息子への手紙」だと、城山三郎さんが訳された「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」が有名ですが、あれを意識はしてるんでしょうね。
いや、僕も読んだはずなんですけど、すっかり忘れてますがw。
僕はなんとなく「山崎元ファン」で、何冊か著作は読ませていただいていますし、ネット記事はフォローさせてもらっていました。
…とか言いながら、じゃあ山崎さんのアドバイスに従ってたかと言うとそんなことは全然なくてw、転職も副業もしてないし、「投資」も積極的に手を出しては来ませんでした。
それなのに、「ファン」ってのは結局お人柄なんでしょうね。
そのことが再確認できる一冊でもありました。
内容的には、
・仕事に関しては
<起業でも、ベンチャーへの参加でも、ストックオプションをくれる会社への転職でもいい>
「株式性の報酬」を得ることができる仕事に就くべき。
・投資に関しては、「全世界株式のインデックスファンド」での長期運用の一択。
…と言うのがメイン。
インデックスファンドおすすめは山崎さんの一貫したご主張なんで「うんうん、そうおっしゃってましたね」なんですが、「仕事」に関して「労働時間を確実に高く売る」時代から、「株式性報酬」の時代に変化していることを解説しているあたりが、本書の読みどころでしょうか。
「労働」に関するここら辺の考え方は、社会に出る人にとっては頭に入れておいてもいいことなんじゃないか、と。
<失敗しても致命的でない程度のリスクを積極的に取って、リスクの対価も受け取る>
と言うのは、「シン・日本の経営」が指摘していた<日本社会の今後のあり方>にも通じると思うんですよね。
その割に「インデックスファンド」を進めるのは、プロとして株式のリスクの取り方の難しさってのがあるんでしょうw。
僕の息子がちょうど大学2年になるので、本書も渡してみようかなと思ってます。
「僕は決して賛成してるわけじゃないけど、合理的な考え方の一つではあると思うし、経済環境の中で<リスク>に対する考え方は、僕が働いてきた環境とはだいぶ変わってきてるのは確かだと思うよ」
くらいは言って渡すかな。
読むかどうかは知らんけどw。
山崎さんはこう締めています。
<モテる男になれ。友達を大切にせよ。上機嫌で暮らせ!>
「モテ」はどうか知らないけどw(ここで言う「モテ」は女性にモテると言うのとはちょっと違う)、「上機嫌で暮らせ」はほんと、その通り。
この点は死の間際に山崎さんご自身が亡くなられる前に書かれたnoteでコメントされています。
<「本人」にとって、他人からの評価は「サンクコスト」に過ぎないからだ。
いくら努力しても過去の蓄積を「本人」は将来に持ち込むことが出来ない。
過去は「他人」のもの、最期の一日は「本人」のものだ。お互いに機嫌良く過ごす上で邪魔になるものは何もない。
上機嫌なら全て良し、と思うがいかがだろうか。>
https://note.com/hajime\_yamazaki/n/nda83de353b07
まさに。
上機嫌なら全て良し。
それを目指して僕は過ごしていきたいと思っています。