えっと、何の話だっけ?w:読書録「絶対悲観主義」
・絶対悲観主義
著者:楠木建 ナレーター:紀ノ貴紀
出版:講談社+α新書(audible版)
先週の土曜の朝日新聞の書評で本書が取り上げられていて、
「そういえばaudibleにアップされてたような…」
と思いついて聴いてみました。
楠木さんは大学の1年先輩…はどうでもいいとしてw、「ストーリーとしての競争戦略」は興味深く読ませていただきました。
あと何冊か著作も読ませていただいたことがあると思いますが、どっちかっていうと雑誌の記事なんかでお見かけする方が多いかな?
「経営」に近いところを研究分野にされてる印象です。(ビジネススクールで教えられてる様ですし)
「絶対悲観主義」
まあ、簡単に言えば、「<仕事は絶対に失敗する>と考え、自分への期待値を低く設定して取り組む」って考え方ですかね。
そもそも「絶対に失敗する」と思ってるんだから、失敗のショックも少ないし、立ち直りも早いという…w。
言葉だけだと「ずいぶんペシミスティックな…」って印象ですが、「期待値が低い」からこそ、「どんどん取り組んでいくことができる」ってところがミソ。
「将来の失敗」を恐れずに、さっさと取り組んで行くし、失敗しても深く落ち込まずに次のことに直ぐに取り掛かれるから、結果として経験も知見も積み上がって行く…というのがポイントだったりします。
ペシミスティックどころか、えらいポジティブw。
「絶対に失敗する」と考えて、怖くなって一歩も進めなくなっちゃう…というのとは真逆の考え方です。
まあ、これができるってのは、それなりに精神力が強いんじゃないかとは思うんですけどw。
本書は最初はこの「絶対悲観主義」の説明。
そこから「絶対主観主義」的な視点から物事を見るのはどういうことか…という風に、色々な事象や事例について論じ…となるんですが、なんかドンドン「絶対悲観主義」と離れていくw。
時々思いついたように「絶対悲観主義としては」みたいな解説が入ったりするんですが、なんかとってつけたような…。
最初の「絶対悲観主義」という章以下の各章の章題は以下ですが、「論」ではなくて時事ネタも交つつの「エッセイ」です。
・幸福の条件
・健康と平和
・お金と時間
・自己認識
・チーム力
・友達
・オーラの正体
・「なり」と「ふり」
・リモートワーク
・失敗
・痺れる名言
・発表
・初老の老後
「初老の老後」とか、自分が書評を書いている「週刊現代」のオモシロ企画の紹介に終始してますからね。
でもって、そっちの方が無茶苦茶面白いという…w。
だから「ビジネスパーソンと身につけるべきスタンスとしての<絶対悲観主義>とはどういうものか」な〜んて思って読み始めたら怒っちゃうかもしれないw。
「50過ぎのオッサンが考えてることの一例はどんなもんかいな」くらいの気持ちで読むと楽しめます。
そんなのお金出して買うもんなのかどうか…ってのあるかもしれませんが。
僕もサブスクのaudibleで聴いたからケタケタ笑ってたけど、買ってたら憮然としたかも、ですw。
基本的に楠木さんは「リアリスト」で、<絶対悲観主義>もその上に立脚しています。
朝日の書評でもストア派への近しさを指摘してました。
まあ、そんな構えた本じゃないんですが、そのリアリストからの「憲法9条論」はチョット興味深かったかな?(健康と平和)
日本の国際的なポジションや生存条件から「平和」の重要性を指摘し、その維持のため「戦争」への抑止力として<憲法9条>を評価する。
僕は改憲論者ですが、楠木さんのスタンスも分からんでもないです。
それが成立するには、相当概念的なことを理解し、議論しうる能力が必要ですがね。
それが政治家に求めうるのか?
…ということで、こういうご提案。
<戦争抑止法の私案があります。条文は一つだけ。
「第1条 戦争状態に入った時点で、内閣を構成する大臣及び副大臣の二親等以内かつ18歳以上の健康なものは全員直ちに身体的危険の伴う最前線の戦闘業務に従事しなければならない」>
なるほど、なるほどw。
悪くないんじゃない?