ミステリーではあるけど、謎解き主体の小説じゃないかな:読書録「見知らぬ人」
・見知らぬ人
著者:エリー・グリフィス 訳:上原ひろみ
出版:創元推理文庫(Kindle版)
年始休暇に読んだ本。
なんか20年のランキング上位にも食い込んでた作品じゃないか、と。
短編ホラー小説「見知らぬ人」
この作者が住んでいた館(今は学校になっている)を舞台の一つとして、<見立て>連続殺人が発生する。
その経緯を
殺された教師の同僚である女性教員
その娘
事件を追う女性刑事
の3つの視点から描いています。
(ちなみの「見知らぬ人」は架空の小説です)
ミステリーなんで、もちろん焦点は「犯人は誰だ?」にあるんですが、作品としてはそこに重きを置いているというよりは、焦点の当たった3人の女性を通して、それぞれの年代・背景・環境等の中で、女性たちが考え、思い煩っていることを描くことに主眼があるんじゃないか、と感じました。
事件を追う中で、その関係性がどうなっていくか…も含め、そこが面白い作品ですしね。
(感想とかで、「この犯人は分からない」みたいなコメントをちょこちょこ見かけましたが、僕自身は「そこまでトリッキーじゃないんじゃない?」という印象。
ロジカルな推理で行き着いたわけではないにせよw)
ゲイで人種的にもマイノリティな刑事(ハービンダー・カー)が興味深い…と思ってたら、彼女を主人公にした続編も描かれているようです。
翻訳されるかな?
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