現代的にして、「本格」ミステリ:読書録「メインテーマは殺人」
・メインテーマは殺人
著者:アンソニー・ホロヴィッツ 訳:山田蘭
出版:創元推理文庫
前作の「カササギ殺人事件」は昨年のミステリーランキングを席巻しましたが、本作もまた「このミス」はじめ4つの年末ミステリランキングで「1位」という快挙とか。
っつうか、「4つもある」(このミステリーがすごい、週刊文春ミステリーベスト10、2020本格ミステリ・ベスト10、ミステリが読みたい)ってのもどうかとは思いますがw。
ただまあ、それに相応しい出来ではあるかな、と。
「仕掛け」としては前作の方が<大仕掛け>でしたが、凝り様はコッチの方が上かもしれません。
・語り手が「作者」自身
・実在の人物(スピルバーグまで)や、本、テレビ番組、映画等が飛び出し、虚実相見える物語展開
・作者が書いた「文章」に、探偵役の作中人物がケチをつけるという、メタ展開もあり
(しかもそれが終盤に活きてくる…と言う…)
まあ本格ミステリなので、突っ込んで書こうとしたらネタバレになっちゃうんで書けないんですが、前作同様、「普通には展開しない」くせに、しっかり根のところでは「本格ミステリ」。
参っちゃいますよね、こういうのw。
たっぷり楽しませてもらいました。
ちなみに本作は既にシリーズ化して2作目も発表されているとか。
さて、この大向こうは、2作目以降も続くのでしょうか?
楽しみ、楽しみ。