中年ど真ん中のスーさんの話を、老年が見えてきた僕が読む。:読書録「これでもいいのだ」
・これでもいいのだ
著者:ジェーン・スー
出版:中央公論新社
ここんところ対談集が多かった気がしますが、久しぶりのエッセイ集。
まあ昼帯のラジオ番組やってますからねぇ。
忙しいんでしょう。
僕にとってスーさんのエッセイは、
「少し年齢が下の世代の、ちょっと尖った女性目線での考え方」
を教えてもらう感じです。
いや、もちろん「面白い」ってのが第一ですが。
でもって、結構年代によって「意見がブレる」とことろが良いんですよねw。
そこら辺、「すべての男は消耗品である。」の村上龍に近い。
ただ龍さんが、その時その時では「断言」するのに比べて、スーさんは自分の意見がブレてることに、ちょっとした後ろめたさみたいなものも感じさせます。
龍さんのエッセイを読むのが面倒くさくなって辞めちゃったのにw、スーさんのは読み続けてるってのはそこら辺もあるかなぁ。
「異世界探報」気分もあるけどw。
<悲観的になろうと思えばどこまででもなれるけれど、楽観的に考えれば、私が失ったものは、記憶力と体力くらいだ。>
<(前略)日々の疲れは取れぬが、私はようやく手に入れた楽園に住んでいる。
私がなぜ楽園住まいを始められたかと言えば、これはもう完全に加齢のおかげ。若者よ、加齢はいいぞ。なぜなら、あきらめがよくなるから。>
…ここまで吹っ切れないかな。まだ僕もw。
記憶力と体力は失い始めて久しいけど。
とは言え、いろいろある。
スーさんもお父さんのことやら(本も書いてましたね)、パートナーのことやら。
しかしまあ「今」はこういう状況…ということで。
その先は、また次のエッセイで聞かせてもらいましょう。