オーストラリア版「逃げ恥」?:読書録「ワイフ・プロジェクト」
・ワイフ・プロジェクト
著者:グラム・シムシオン 訳:小川敏子
出版:講談社
ビル・ゲイツのいつかの「オススメ本」にピックアップされてた作品。
ゲイツが推すんだから「ノンフィクション」とてっきり思ってたら、「コメディ」でしたw。
こう言うのも読むんですね。
<ドン・ティルマン、39歳、遺伝子学者。
ハンサムで頭はいいし料理も得意、しかし
生涯彼女に恵まれたことがない>(帯)
収入もそこそこあるし、武道の心得まであるんだから、相当スペックは高いのに、何故か女性にはモテない。
でもパートナーは欲しいので、⚪︎×アンケート方式で自分と相性の良い女性を見つけ出そうと、「ワイフ・プロジェクト」なる調査を開始するんだけど…って話。
ある女性に振り回されて、その人の父親を探す「ファーザー・プロジェクト」を開始。
それが「ロージー・プロジェクト」(原題はこれ)になり、ついには…。
主人公の一人称で書かれている話なんですが、本人は「モテない」と思ってるんだけど、読んでると、「結構モテてる」。少なくともチャンスはある。
それを自分の方でことごとく潰しちゃうあたりが序盤の面白さです。
まあ、「アスペルガー症候群」っぽいんですよね。この主人公。
とにかくコミュニケーションがチグハグ。
そのチグハグさを何とか相手に合わそうとする中で(これが「ロージー・プロジェクト」)、自分自身が何者かということを見出すという…。
中盤の「ファーザー・プロジェクト」の冴えた展開から、「ロージー・プロジェクト」になると、なんか「ロマンティック・コメディ」っぽくなるんだけど、いや、これ「ロマンティック・コメディ」なんですよw。
主人公のキャラ造形が、ちょっと「逃げ恥」の平匡さんを思わせますが、似た感じはあるかな?
ヒロインの方はこっちの方がフツウだけど。
映画化されるらしいけど、作中には「ロマンティック・コメディ映画」への言及がどっさり。
さて、どんなになるのかな?