まだそこまで面倒な若者にはなってないけど…:読書録「春期限定いちごタルト事件」
・春期限定いちごタルト事件
著者:米澤穂信
出版:創元推理文庫(Kindle版)
「古典部」シリーズとは別に発表されていた米澤さんの高校生を主人公にした推理小説シリーズ「小市民」シリーズの第1作。
このシリーズ、僕は全然知らなかったんですど、シリーズ完結が記事になってアニメ化も発表されたことで、初めて知りました。
正直言うと「古典部」シリーズについては、僕はいまひとつ乗り切れなかったんですけど、息子がこのシリーズが大好きで、それもあって「小市民」シリーズについても購入した次第です。
いや、「古典部」シリーズは、小説のほうはいまひとつ乗り切れなかったんですけど、アニメは大好きなんですよ。
なんでここら辺に格差が出るかっていうのは、ちょっと僕としてもよくわからないところではあります。
小説としての「古典部」シリーズについては、登場人物たちのなんだかちょっとひねくれたというか、なんでここにこだわるんだかって言うところがついていけないポイントだったんですけど…
先に読んだ息子によると、
「このシリーズも結構登場人物はめんどくさいやつだけどね」
と言う感想。
それはなんだか読むのはめんどくさいかもしんないなぁと思ったんですが、この第1作に関して言うと、それほど抵抗感はありませんでした。
何でも推理をして首を突っ込んでしまう少年と
執念深く復讐を楽しんでしまう少女
この2人がそういう自分に嫌気がさして普通の高校生(小市民)を目指して、高校デビューをするものの…
というのがシリーズの骨格になります。
まぁこの小市民を目指してって言うあたりが「面倒くさい」っていうことなのかもしれませんが、本作についてはそこまでめんどくささは感ませんでした。
もっとも最終話で少年の方が披露する推理の細かさについては、
「めんどくせー」
で雰囲気はなきにしもあらず、なんですけどね。
羊の着ぐるみ:ポシェットは何故なくなったのか
For your eyes only :卒業した先輩が残した2枚の絵の謎
おいしいココアの作り方:シンクを濡らさずにココアを作るには
はらふくるるわざ:何故教室でガラス瓶は落ちたのか
狐狼の心:少女の自転車を盗んだ少年は何を企んでいる?
「小市民」を目指しながら、高校生活をスタートさせた主人公2人の前途にはなかなか多難な雰囲気があります。
さてさて、これからどうなるのか
息子が言うようにますます2人の日々はめんどくさいことになっていくのか…
まぁ、面白そうといや面白そうかな。
アニメもスタートしたようですし、並行しながらちょっと様子を見ていきたいと思います。
推理小説としては、さすがに米澤さん。手堅いですからね〜。