寅さん映画&デザスタームービーがいい塩梅で:映画評「奈落のマイホーム」
Netflixのレコメンドで上がって来たのを視聴。
相変わらず優秀です。Netflix。
楽しめました。
ソウルにマンションを購入した平凡な会社員のドンウォン。夢のマイホームをようやく手に入れた喜びに浸る彼だったが、巨大な地響きと共にシンクホールが出現し、マンション全体が地下深くに落下してしまう。
(Googleより)
前半は、割と、韓国映画にありがちな、ドタバタのコメディ。
苦労してマイホーム買った主人公の喜びやら、空回りする自慢やら
隣の住民とのドタバタに加えて、欠陥住宅疑惑から生じる軋轢
大げさな演技と表情で強引に笑いを誘う感じです。
それが中盤以降一転して、マンションがシンクホールに落ちて以降はデザスタームービーになります。
コメディー的要素時々顔出しますが、ヒーローじゃない一般の人が絶望的な状況の中で、振り回され、奮闘する姿がメインとなります。
そこには、ホロリとくるような悲劇もあり…
この手の映画の場合、自己中心的で権威主義的なキャラクターが出てきて、たいていはそのキャラクターが暴走して自業自得の死を迎えたりするんですけど、本作に登場する人物たちは、基本的には善良な一般人です。
相手を落とし入れようとするような事はなくて、何とか他人も助けようとして助け合いながら生き残る道を探っています。
全体的に気持ちよく見れるのはそこなんでしょうね。
コメディーとしては、「寅さん」映画に近いかもしれません
ラストの展開はかなり唐突といや唐突なんですけど、
「ここら辺でこのキャラクターたちも解放してあげないとね」
と言う気分もあるのかなあ、とも。
まぁこれでいいやんって気分になりますから。
その緩さを良しとするか、甘いとするかで、評価はかなり変わるかも。
僕は良かったと思いますよ。
韓国では記録になるようなヒットだったのかな?
そこまでとは思えないんですけど、手堅く作られた映画だと思います。
唯一あ悲劇的展開で、ドタバタ喜劇とは一転して、かなり抑制した演出を見せているあたり、監督の技量を感じます。
必見じゃないけど、見て損は無い。
そんな感じかな。
#映画感想文
#奈落のマイホーム
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