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「まるでバーに入ったような小説」。うん、そういうの好きです。:読書録「世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。」
・世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。
著者:林伸次
出版:幻冬舎(Kindle版)
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毎日のnoteで楽しませていただいているbar bossaの林さんの新作。
ファンタジー系の作品を集めた短編集です。
ちょっと積読があったり、audibleの積聴もあったり、新刊ミステリーのシリーズもんにハマったり…で、購入後少し経ってしまいましたが、読み始めたらスルスルスル〜っと一気に読んじゃいました。
寝る前に一篇ずつ読んだりするのがいいかな〜とか思ってたんですが、思惑はずれw。
いい方に…ですけど。
林さんを連想させるバーのマスター(奥さんも登場)が主人公の物語が皮切りで、虚実の狭間のような物語から、ファンタジー色が強くなって、童話的な物語も交えつつ、登場人物たちが重なるような設定もありながら、最後はこの「本」自体に戻ってくるような仕掛けでの締め。
「連作短編」じゃないんだけど、ゆるい繋がりがあって、それぞれの話が独立しながらも、一冊の本の「作品」としても成立してる感じですね。
僕はこういうの好きです。
傾向としてはファンタジー色が強いので、そこで好き嫌いは分かれるかもしれません。
僕個人としては完全にファンタジー設定なっちゃうよりは、虚実の狭間で語られるような作品の方が好みですかね。
「レモネードの話を夏に終わるまで」は大好物。
「他人の人生は決められない」の静かな遣る瀬無さは心に残ります。いや、そんな目には会いたくないけどw。
「わたせせいぞう」とか好きだった人で、「恋愛ど真ん中の話は、ちょっと…」って感じの人には向くんじゃないかなぁ。
そう言う人がどれだけいるのかは分かりませんが。