「ミステリー」の部分は弱いけど、そこを楽しむ作品じゃないか:読書録「15歳のテロリスト」
・15歳のテロリスト
著者:松村涼哉 ナレーター:岩端卓也
出版:KADOKAWA(audible版)
「少年法」の厳罰化をテーマに展開するミステリー。
祖母と妹を殺された少年
兄が殺人を犯した少女
恋人を殺された記者
少年と記者の視点から交互に描かれるスタイルとなっていて、15歳の少年が「爆破テロ」を予告/実施する展開となります。
少年パートが「回想メイン」で、被害者家族である少年が<復讐>を計画して、加害者家族である少女に近づき、計画を遂行する過程で<事件>の裏側を知ると言う内容。
記者パートは「現在進行形」で、少年が「テロ」を遂行するのを追いかけつつ、その裏の意図に気づいて行くと言う展開から、少年・記者パートが同時進行に最終的にはなります。
少年法、被害者家族、加害者家族、メディアスクラム、ネット炎上
…まあ、ここら辺が聴いててキツいところですかね。
「ロスト・ケア」もそうですが、リアル本だったら投げ出してたかも。
オーディオブックなんでお付き合いできました。
(ライトノベルじゃないけど、読者層は近いところを想定してると思うので、そこまで深掘りはしないんですが、それでもこう言うのは、ねえ)
「事件の裏側」展開は、そう言う意味では聴いてる側には「救い」にもなってて、後半の方はグイグイ来る感じになりました。
とは言っても、ハッピー・ハッピーって話では全然ないんですけどね。
「エピローグ」はどうかな?
例えば映画なんかにするとしたら、このエピローグはバッサリ省略した方が「形」になるかも。
そう言う描き方もされてますし。
ただまあ、それじゃあ、あんまり…ってのもあるか。
僕もエピローグを聴いて、気持ちが軽くなったし。
ここら辺は「好み」もあるかもしれません。
たまたま「オススメ」に上がってて、目について聴いてみた作品だったんですが、予想外に良かったです。
知らない作家さんはまだまだいますねぇ。
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