今の時代にどういう需要があるんだろうと不思議に思ったりもしました:映画評「ウエスト・エンド殺人事件」
サム・ロックウェル、シアーシャ・ローナン、エイドリアン・ブロディ出演のミステリー・コメディ映画。
クリスティ脚本の舞台「ねずみとり」の公演を背景に、リチャード・アッテンボローやクリスティ等の実在の人物も交えつつ、ベテラン刑事ロックウェルと新人巡査ローナンの凸凹コンビが、舞台の映画化を計画している監督ブロディの殺人事件を追う…という内容です。
監督のトム・ジョージは長編初監督のようですが、ちょっとウェス・アンダーソンっぽいところもある、英国風味のコメディ映画に手堅く仕上げています。
アメリカ人で、アル中気味の嫌味な映画監督エイドリアン・ブロディの饒舌な独白からスタートして、長々とカメラが回った末、独白しながら殺される…って冒頭の展開とか、結構好きですね。
とは言え、本当に楽しむには、作品の背景を知ってないと楽しみきれないのだとも思います。
・1950年代の時代背景
・舞台「ねずみとり」に関する知識
・登場人物たちの背景 etc,etc
特に「ねずみとり」については重要な意味を持っています。
僕が知ってるのは、
ギネス認定される長ロングラン公演している舞台(コロナ禍で、ようやくストップしたようです)
クリスティが脚本から仕立てた短編のストーリー
…くらい。
劇として、途中で観客への「注意喚起」がある…ってのは、今回検索をして初めて知りました。
(「リチャード・アッテンボロー」が出演してたってのは、イギリスじゃ周知の事実なんでしょうかね?)
個人的には「楽しんだ」と言えると思いますが、劇場公開で観たかったか…と言われると、「いやぁ、そこまでは」。
配信で、暇つぶしに観るくらいが丁度いいのかもしれません。(日本配信はDisney+)
こう言う映画が製作される需要がどこにあるかってのは、ちょっと分からないなぁ。
配信を見込んで…と言うところなんでしょうか?
#映画感想文
#ウエストエンド殺人事件