見出し画像

春の画-すずころ日和 一足早い春-

こんにちは、皐月です。
今日もお立ち寄りありがとうございます。
全国的に寒波ですが、あなたは大丈夫でしょうか。

最近、本屋さんで手に取るもの。
以前も触れたことがあるのですが、画家の特集本をよく読みます。
ピカソ、クリムト、サルバドール・ダリなど。

画家の一生と作品遍歴、そして時代背景。
よくあるような美しい切り取られた部分だけでなく、闇、ともいえるような偉人もただの人で。と思えるエピソードと共に知ると、そう。

たのしい、おもしろい。

そんな感情に心が満ちていく。
絵画の見方は自由、とあえて知識をいれることが嫌だった大学時代を恨めしく思う。色々な解釈がある、と知った上でどう自分が絵をみるのか。
それをちゃんと選ぶことが自分の選択としてあるのにね。
学生時代、美術を学ぶ機会がたくさんあった自分。
今になって、もったいない時間の使い方を感じる。

このシリーズは読みやすいし面白い

そんな感じで、大人と十分によばれる年になって。
今単純に美術を色々な角度でみること、解説を知ることが楽しい。

葛飾北斎の本を最近手にとって。
北斎ブルーと呼ばれた、有名な波の浮世絵。
そこから浮世絵に手を伸ばしてくと、知っている人は知っている?
そう「春の画」に辿り着いた。

最近はアマゾンプライムで芸術ドキュメンタリー映画、現代アートやバレエなどみていたら、そう「春画」がおすすめで出てきまして。

プライムに入っている方はよければ見てみてください。
「芸術とは…??」
な、そう。もうモロ見えな行為を堂々と描いている浮世絵=春画。

すごいです。
実は若い頃に見たことはあったのですが(それが有名な絵師どうかとかおもいもしないころ)、当時清純な私は気分が悪くなり。。
単純に嫌悪感しか残らなかった。
気持ち悪い。。

そういうことに割とオープンな友人さえも「グロい」とお互いが無言になる後味の悪さ。

その記憶が蘇りつつ、映画をみる。
江戸から続く版元、高橋工房の六代目の方が中心となって、当時の絵を再現させていくことへの情熱。この中には多くの女性が関わっている、という撮り方で。そう。

「春画というのは、当時の浮世絵の最高峰の技術が凝縮されたもの」

ということが、素直に学ぶことができた。

変に色眼鏡をかけてない、撮り方。伝え方。

恐ろしいほどに陰部も誇張されて(いまならモザイク)であろう箇所にも、色の濃淡、陰毛を描く線の細さ。緻密さ。
現代の彫り師(女性)が驚愕する、板木の線の美しさ。
刷り師が何色も使って贅沢に仕上げていく、当時の高級品。

鳥居清長 
袖の巻(復刻)
※画像は復刻展からお借りしました

江戸当時、春画は女性の嫁入り道具であり。
子をなす、というのは自然でとても大切なものだと。
性はとてもおおらかで、男女対等、という行為として描かれている。
春画を買う、というのも多くは女性であった、というのも驚きで。
(家のこと、として女性が選ぶことが多かったそう)

浮世絵師として有名な絵師が必ず春画を描いている。
葛飾北斎、喜多川歌麿、菱川師宣、歌川広重など。教科書で聞いたお名前たち。
というのも、日本独特だそうです。
春画は浮世絵の最高峰、という位置付け。

海外では有名な画家は性的なものはほとんど描かず、無名な画家がお金を稼ぐ手段として位置付けられていた。

文化的な違い、これだけでも「ほ〜」となった。
そんな春画も江戸以降は位置付けが変わり、ある種恥ずかしいものとなって。
長らく日の目を見なくなった。

その流れが変わったのが2013年の大英博物館での「大春画展」
海外で評価されて、本国日本で見直されるパターン。
この春画展はさすがに16歳未満はダメ、保護者同伴。
というものでしたが、入場者の6割以上が女性で入場制限がかかるほどの大盛況だったそうです。

・男性目線で描かれていない
・女性器を露わに描いている芸術は欧米にほとんど存在しないが、不思議と下心を感じない
・女性の性を正面から肯定している

こんな感想が多かったそうです

行為の画として、ぱっとみると「うっ」となるのですが。

じっくりみれば髪の美しさ、女性が単純に性に喜びをかんじる表情の自然さ。
美しい着物や、手や足の指まで平面的な絵に感じる細やかさ。
たしかに、どの女性も苦痛とか。アダルト的な変な高揚感て全然ない。

ちなみに葛飾北斎は50代に春画を10年ほど描き、その後有名な東海道の絵、景色に移行しています。

おもしろいな、とこれまた思ったのが1970年代に市原悦子さんがナレーションをしている春画のドキュメンタリー映画もみたのですが、こちらはすべて江戸の通貨で行為の部分は隠して編集しています。

先にみた最近の映画は「芸術」としてフルオープンで見ることができる。

時代によって、芸術も解釈が変わる。
春画は当時、隠れて見るもので無くみんなで歓談しながらみるものだったとか。

性への解釈や捉え方は、時代で変わる。

さて。春画、はさておき。
本屋さんでは見れば見るほど、いろんな美術の本がある。

浮世絵にちょっと時間をとったので、次は何を見てみようかな。
あなたは最近、絵をみましたか。
美術館、画集。

たまにはペラペラとめくって見ると、

今の年齢だから見えるなにか。
感じる何かがあるかも、しれません。

ではでは。
今日は久しぶりに違う目線で。

いと、をかし。
では、また。

皐月

⭐︎オマケのすずさん⭐︎

手ピーン✨
寝てます。頭落ちそう。




いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集