家族の引き取り意向はつくり出すもの
竹内孝仁「老健•特養からの在宅復帰をすすめる本」を読みました。
本書は2006年に出版されているので、今から18年も前の本。その後の老健では、経験や技術を積み重ねています。でも、根本的な部分は全く今でも変わらないなぁという内容でした。
私が選んだポイントは以下の3点。
①在宅復帰は時間との勝負
→初日から、「今日は何をすべきか」という発想と実践を。家族の「引き取り意向はつくり出すもの」である。それは介護を中心とした自立支援と、ソーシャルワークの両輪で。
②自立支援は「排泄」から手がける
→排泄の負担さえ減れば、入浴などなどは通所サービスで解決できる。おむつで入所してきた人に、まずはポータブルに、次はトイレにと考える。そうしていけば、その人の排泄リズムを知ろう、となる。
③家族アプローチの主役はソーシャルワーカー
→在宅復帰のソーシャルワークが理論的にも、実践的にも、確立されていない。支援相談員は、利用者の生活全般の不安に対応する。同時並行で家族との信頼関係づくり。
私の感想
上記①について
「家族が引き取るつもりがない」というのは言い訳。入所当初はそういうことをおしっしゃるのは当たり前と受け取るべきですね。時間との勝負というのは、関わらないまま時間が過ぎれば過ぎるほど、家族は本人がいない生活に慣れてしまうから。ほんと、そうです。
上記②について
老健の介護、リハビリは何をすべきかを端的に述べられています。それは2024年の今でも変わらないでしょう。排泄やそれにつながる移動が最も大切。
上記③について
今や老健の支援相談員は、在宅復帰に関わるソーシャルワークのスペシャリストになりましたね。その関わりに、施設の経営が左右されます。在宅復帰できる施設に報酬が厚くなり、そうでない施設はやっていけなくなります。2024年の介護報酬改定でも、しっかりメリハリがつきました。
竹内孝仁先生の示された指針は正しかったなあ、と改めて読みました。
ありがとうございました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?