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#359 スメルハラスメント

 今年も一年間、お付き合いいただき感謝申し上げます。 
 先日の見出し画像「チンパンジー先生の野生のつぶやき」が好評だったので(自分で好評と言い張っているだけですが)当面これでいきます。
 これを目印にして、読んでみようとか、読みたくないといった判断材料にしていただければ幸いです。

 また、私がスマホでフォロワーさん一覧をスクロールしているうちに、間違って「フォロー中」という所に指が触れて、フォローを外してしまったことが何度もあります。
 おそらく、それが原因だと思うのですが、フォローを外され、なおかつブロックされてしまったということもありました (T_T)
 気が付いた時はすぐに改めてフォローバックしますので、どうかお許しください。そのようなことがないよう十分に気を付けたいと思います。

(以下1,500字) 

■ スメルハラスメント考 

 現代は多種多様なハラスメントがあり、全方位にわたって注意が必要だ。
スメルハラスメント(smell 臭い harassment)もそのひとつ。

 一般的には良い香りとされているものでも、周囲を不快にさせればスメハラになってしまう。

 「死ぬかと思った」のエピソード(その3の事例)に書いたことを思い出した。私にとって人生最大の臭いにまつわる話だ。
 吐き気に襲われ死ぬかと思った・・・R指定エッセイなので想像力豊かな方や心臓の弱い方は閲覧しないでください。

■ 環境衛生 

 以前の職場で、女性職員が部署の異動替えを懇願してきたことがあった。
 理由を聞くと、ある男性教員が着ている服の洗剤か柔軟剤の香りがきつくて吐き気と頭痛がして動悸も激しくなる、といった症状が日に日に増しているという訴えだった。

 女性は元々ぜんそくとアトピーの持病があり、苦しくなると携帯吸入器を使うほどだった。

 アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)は、花粉やハウスダスト、食べ物、香水・芳香剤など、身の回りのいたるところにある。
 現代はいろいろな化学物質が身の回りに潜んでいて、幼少期にアレルギー体質になってしまう子どもの数が増えている。

 アレルギー反応は人によってさまざまだ。
 衛生管理者の資格を取得するときに、環境衛生や生体のしくみも勉強した。有資格者として職場内の空気環境の整備・対策を講じる時にとても役立った。

 最近は、教室内の臭いに対して過敏になって保健室へ駆け込む子どもが増えている。精神的な問題で片付けていると大変な事態を招くことになる。
 悪臭だろうが、コロンのいい香りだろうが、そこにアレルゲンが含有されていれば呼吸困難に陥り、最悪、死に至るケースもあるので細心の配慮が必要だ。

 件の女性職員の訴えを踏まえ、初動では、臭いの源となっている当該職員を呼びつけて「あなたは臭いです!」と糾弾すること‥‥ではない。

 会議で全職員を前にして、養護教諭から保健の観点で話をしてもらった。

 生徒達が使用する制汗剤・デオドラントですら、無臭タイプでもアレルゲンになるケースがあることや、場合によっては生命の安全を脅かすこともあることを説明してもらった。 
 最後に私が職場長としてまとめた。

 これは生徒だけの問題ではなく、私たち教職員にも言えることです。特に狭い執務室に長時間滞在していると空気も淀んでしまいますので、執務中は常時換気と、さらに定期的な窓の開放や強制換気を心がけてください。
 また、個人の嗜好を完全否定するものではありませんが、香水、オーデコロンだけでなく、香りが付く洗剤や柔軟剤がアレルゲンになって体調に影響を及ぼして苦しんでいる方もいることからから、今後は十分な配慮が求められます。
 生徒のアレルギーについては入学時点で把握していますが、職員については把握できておりません。アレルギーがある方や不安な方は任意でご申告ください。今後は環境改善計画を立てたいと考えています。 

 そう宣言した翌日に、冒頭の相談に訪れた女性職員から「臭いがなくなりました」という感謝の報告を受けた。
 その後、私の跡を継いだ校長が、次善策を推進してくれた。

 こういうことは一歩間違えると、就業規則や校則で「コロン禁止」とか、「臭い検査」と称して、教員が生徒の体をクンクンすることにもなりかねない。
 笑いごとではなく、ブラック校則はそうしたことに端を発してどんどん過激になっていったのだ。

 注意・指導・配慮とハラスメントの境界線は紙一重である。人権侵害、差別、いじめ等に発展することもあり得る。また、科学的な根拠に基づいた説明も必要だろう。

 現在の私が気を付けるべきことは、立場上、学生に対するパワハラ、セクハラ、アカハラあたりだろうか。

 時々、加齢臭で自分の体は臭くないだろうか?と不安になることがある。
さて、風呂でも入るか。