上達のための秘訣は「質」より「量」である!!
質を求めると、完璧主義に陥りやすくなる。おもしろいです。
実験内容
ある陶芸クラスの初日、グループを二つに分ける。
一方には作品を「量」で評価し、もう一方には「質」で評価すると伝える。
量のグループは、作成した作品の総重量を測られ、重量50ポンド(約23kg)なら「A」、40ポンド(約18kg)なら「B」と評価される。
質のグループは、自分が最高だと思う作品を提出して評価される。
結果、全作品中最も「質」の高い作品を出したのは、量を求めるグループであった。
この実験を紹介したベイルズとオーランドによると
量のグループは、実際に作品を次から次へと作って試行錯誤を重ね、粘土の扱いもうまくなっていった。しかし質のグループは、最初から完璧な作品を作ろうとするあまり頭で考えることに時間をかけすぎてしまった。結局あとに残ったのは、壮大な理論と粘土の塊だった。
何より実地での試行錯誤が大切なんですな。おもしろい。
似たようなのがほかの本にも…
ちなみにこれと似たものが「残酷すぎる成功法則」にも載ってあります。
こっちは「マシュマロ・チャレンジ」って呼ばれるゲームなんですけどね、
スパゲティとかマスキングテープとか道具を使って、マシュマロをどこまで高く設置できるかを競うものなんです。
これに参加した人たちも多種多様で、エンジニアにCEO、MBAの学生、さらには幼稚園児までもが含まれているんです。
これを700人以上を対象にして行い、最終的にだれが一番成績が良かったかというと
なんと六歳児の幼稚園児が最も成績優秀だったのです。
著者によると
つまり、見本を作っては試す、作っては試す、作っては試す…と時間切れになるまでひたすらこれを繰り返すのが、園児たちのシステムだった。定められた道筋が無い場合には、このシステムが勝利をおさめる。
園児たちのトライ&エラーの繰り返しが勝利の秘訣みたい。
個人的な意見としては、「量」はそのトライ&エラーの残滓に過ぎなくて、大切なのはいかに有益で多くのフィードバックが得られるのかではないのかなぁと思ってます。
完璧主義ってなぜだめなの?
完璧主義の根幹には「失敗への恐れ」があるみたいです。
なんでも完璧にしようとするけど、ここはやっぱり人の世。思い通りにいかないこともある。
そうすると完璧主義者は、完璧ではない自分をひどく非難するようになり、最終的にはなにごとにも挑戦もしなくなるという。
失敗する自分は完璧じゃないから、挑戦自体を避けていく。
そりゃ挑戦もしないんだから、上達も完璧もありゃせんわって感じです。
無情なり。
ちなみに、完璧主義を否定している本はたくさんありますけど、肯定している本はあるんでしょうか。あったら教えてください。
とりあえず否定している本は紹介しておきますね。
物なら完璧も可能だろうが、完璧な人間などいるはずがない。求めるほうが愚かな話だ。
「悩みグセ」をやめる9つの習慣より
こっちは完璧主義特有の成果に執着する考え方に対して
学習と成長ではなく、成果に執着すると、人はリスクを避けるようになる。すぐれた結果を出すために苦労しなければならない状況に身を置いて、自己イメージを危険にさらしたくないと考えるわけだ。
使える脳の鍛え方より
決定論者には、安全な賭けを好み、難易度の高い目標の設定を避ける傾向があります。(中略)……このように決定論者は、現在の能力の証明ばかりに意識を向け、努力によって将来の能力を獲得することをあきらめてしまうのです。
「やってのける」より
ただ、たまに自分も完璧主義に陥ることがあって耳が痛い。
完璧主義の面倒なところは、プライベートでは完璧主義じゃないのに、仕事だと完璧主義になるっていう、生活の部分部分で姿を現すことだと思う。
対策としてはACT(心理療法の一種)やら認知行動療法がよさそう。
突然のACTで申し訳ないけど、お気に入りだからどこかで掘り下げたい。面白かったんで紹介しておきます。
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