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Teslaの航続可能距離に関して集団訴訟の動きが

 7月末にReuterが報じたTeslaによる推定航続距離の課題表示疑惑ですが、早速に訴訟が起こされ、クラスアクションにまで拡大しようと原告はもくろんでいるようです。最近の異常気象などを勘案すると社内での冷房使用や走行ルートの起伏などで航続距離は変わるのだから目くじら立てなくてと思いつつ、保有者にとっては死活問題…EV販売にあたってのリスクとして。

1;訴訟の対象事案

 Teslaに対する訴訟の原告3名は[TeslaがEV販売時に航続距離(250-300㏕)を著しく過大表示したことが虚偽にあたる]として訴えている。
(原告1:Portor氏)
-[22/06の納車後、フル充電して92㏕離れた家族を訪ねるために2時間運転。目的地に着いた時点で充電残量が約40%であった]
(原告2;Estepanian氏)
-[Tesla-EV納車後、フル充電して両親を訪ねて約90㏕運転して往復180㏕の度から帰宅後、電残量がおよそ10-15%だった]
-[毎日の通勤で往復150㏕運転。Teslaの推奨に従って日常的に90%充電(300㏕の後続可能距離)し、毎日往復約150㏕の距離を往復。帰宅時には約100㏕の残距離が表示されており、20-30%の距離が水増しされている]

2;原告の主張

 原告は[航続距離はEVの重要情報で"消費者がEVを購入する際に一般的に考慮する最重要情報"だと主張]、訴状ではTeslaのWebサイト画像(航続距離/最高速度/加速度などの特徴が強調)が掲載。特に画像では航続距離の誇張を強調
 また訴状では韓国での航続距離虚偽事案に関する当局対応も記載。21/02に韓国;公正取引委員会が[EVの販売に際して誇大広告したと判断して制裁金を課し、対象がEVのみならずSuperchargerにまで拡大した]事案が参考事例として。加えて、調査会社(Recurrent社)による他社EVの航続距離も参考情報として掲載。Mustang Mach-E(Ford)/Chevrolet Bolt(GM)/Kona(Hyundai)はEVでTesla競合だが、推定航続距離はTeslaに比べて保守的で正確だった

3;集団訴訟への動き

 原告団はCA州でTesla車を購入した全員を代表したいと述べており、下記問題点を解決すると主張し、集団訴訟への動きを加速

1;Tesla車が通常走行条件下で、宣伝される推定航続距離を達成できるのか
2;Teslaは推定航続距離を誇張しているのか
3;Teslaは推定航続距離の誇張を認識していたのか
4;Teslaが情報を獲得した時期
5;Teslaが本当のデータを得て各モデルを設計/製造/マーケ/広告/販売したのか
6;Teslaが距離の誇張を意図的に隠していたのか
7;航続距離に疑義を表明した原告の苦情をそらした行為は保証条件に違反しているか
8;原告が本件事象で損害を受けたかどうか
9;Teslaが本件通じて不当利益を得たか
10;原告が救済を受ける権利を持つか

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