ソフトバンクがコネクテッドカーに本腰入れるべく買収へ
ソフトバンクがコネクテッドカーの世界に参入するため、キュービックテレコムの株式の51%を5億1,300万ドルで買収しました。
本件通じて国境跨いだコネクテッドカー向け通信サービスを手に入れ、顧客リーチ/データ取得範囲の拡大を目指していくものとみられます。本業たる通信の高度化や多企業連携も汲みやすくなるため、非常に面白いところかと。
1;SoftbankによるCubicTelecomの買収
12/5にSoftBankはコネクテッドカーに係る通信ソリューションを提供するCubicTelecom(CT社)を子会社化、今回の投資はSBVFでなくSB本社の通信/IT部門が戦略的投資として資金投入。両社は既に日本で協業しており、CT社はSBの無線NWを統合してコネクテッドカーへのWeb接続機能を提供
今回、SB社は5.13億USDを投じて51%株式を取得しCT社はSB社の子会社に。CT社の評価額は10億USD強とされる
買収後の体制として、現CEOのBarry Napier氏はCEO留任&取締役会の一員に。SB社は3名の取締役を派遣するが、既存投資家のCARIAD/QUALCOMMなどが3議席を確保
調達資金はCT社の研究開発及び事業拡大に用いられる。CT社は現在90社の国内/国際モバイルNW事業者と連携して190の国/地域で1,700万台以上の車両への接続サービスを提供している
SB社は単純なNW拡大でなくCT社の持つ世界中の通信事業者との連携網を活用してGlobalなプレゼンスをモビリティを通じて達成することを目指す
2;CT社の概要
CT社は車両/デバイスが所在国を問わずモバイルNW接続できるソフトウェアベースのソリューションを提供。市場全体でコネクテッドカーは2億台程度とされ、提供範囲は市場全体の7-10%程度という認識
CT社/市場双方とも急速に成長、会社によると乗用/商用の新車コネクテッドカーは毎月増加しており、今後5年で割合は指数関数的に増加する予測。Mckinseyの予測では2030年までに新車の95%がワイヤレス接続を内蔵、業界の成長は[5Gの整備による機能向上][車両への機能ニーズの高まり]といった幾つかの要因による
現在の成長計画として[車両接続性の更なる向上]を掲げるが、昨日対象の拡大も同時に目指している。農機への活用や、遠隔地にあるモビリティの自動運転における活用などを掲げる
祖業はモバイル通信のローミングであったが、自動車に重点を置いて事業展開を進めてきた
3;コネクテッドカーxWeb通信
通常OEMは地域ごとに通信事業者と契約を結ぶ必要があるが、CubicのPFは卸売アグリゲータとして機能して契約一元化で自動/低コストで管理が可能に。コネクテッドカーはすぐに使用できる状態で上市され、国境を跨いでも引き続き使用できるように。コネクテッドカーでは車両診断/不具合対応などの安全性拡張やSportify/STEAMなどといったエンタメ起点のUX向上のためにWeb接続が行われる
車両サイドの機能洗練/熟れでTech企業/OEMが自身で接続性管理へのシームレスな方法を出す可能性もあり、現段階ではCubicのプロダクトで製造コスト削減が可能。