眠い詩
意識を覆うのは、薄いレースのカーテン。
はじめは風でひらひら、ふわふわしているけれど、突然風は止む。
そうなったらもうおしまい。
カーテンは急に成長し始める。
脱皮し、細胞分裂。
その身体は、みるみる育っていつのまにやら肉厚なコートになる。
わたしにできることといえば、そのコートの群れをわずかに揺らすことだけ。
体当たりすれど、殴れど、ほとんど動かないんだ、あいつは。
わたしのいない世界で、誰かがコートの山を見つける。
いただいたサポートは、わたしの、あなたの、みんなの心に水を撒くために使わせていただきます。