【真空成形型】金型と比べた樹脂型のメリットを考える。
【真空成形とは】
真空吸引による成形方法のひとつです。
真空成形とは、加熱軟化させたプラスチックシートを、真空吸引で型に密着させて成形する工法で
オートバイの外装部品
自動車のアクセサリーパーツ
などの試作・量産に多く用いられています。射出成形等とは異なり、成形型が凸型か凹型のどちらか片側のみであるため、金型に比べて複雑な形状を安価に製作できるのが嬉しいですね。
ちなみに、木型、プレス型、アルミ型(金型)も代表的な成形型のひとつです。
【製造手順】
1.3Dスキャナーで現物をスキャン
別名:非接触測定器とも呼ばれている3Dスキャナーで現物をスキャンし、画像データを取得します。
使用するのはArtec Eva 3D Scanners (Artec Group)です。
2.型データ設計
データを取り込んだら、次はCAD/CAMによる型設計です。3Dスキャナーで取り込んだ画像データをもとに、基準点同士をつなげるのですが、この作業が重要です。使用設備はSpaceE (株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ)で、取扱可能なデータ形式はDXF,IGS,STEP,CATIA V5です。
3.NCルーター成形
NCプログラムが完成したら、材料を必要な大きさに合わせて積み上げ、5軸NCルーターで成形加工していきます。使用機械は HEIAN FP-151MC-2113,FANUC FS-16i MA (5軸制御)です。ケミカルウッド(人工木材)と呼ばれる加工しやすい材質を、製品に合わせて様々な品番によって使い分けます。
4.マスター型(ケミカルウッド型)の製作
NC加工後、ペーパーで表面を研磨し、ワックスによる離形処理を行います。
5.樹脂型の作成
マスター型から反転をとった反転型にガラスクロスとガラスマットを積層し、樹脂型を製作します。このとき、成形用の真空孔もあけます。
5.真空成形
作成した樹脂型を使用し、真空成形メーカーで真空成形を行った状態がこちらです。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか?金型に比べて複雑な形状を安価に製作できるのが樹脂型の特徴です。”樹脂型による真空成形”という選択肢を、ぜひたくさんの方に知っていただきたいです。
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