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ボールの止め方
「#カメラのたのしみ方」というハッシュタグの企画に参加すべく野球の撮影に関する記事を書いてみます。
写真を見ていただくとわかると思うのですが、ピッチャーが投げたボールにピントが合っています。
以前、キヤノンフォトクラブのスポーツ写真愛好会というところに所属しておりまして、
この中の一枚を講評会に提出したのですが、その時に講師の方から「こういう写真を"狙って撮った"と言う人がいるけど、こんなのはたまたまじゃないと撮れない」と言われてしまったのですが、実は僕、狙って撮ってるんですよね。
「どう?俺、凄いでしょ」なんてみみっちい自慢をしたい訳では無く、「難しそうに見えるけど実は全然難しくないんですよ」と言いたくて、この記事を書かせていただいています。
その証拠が以下の写真です。
この時は五球連続で挑戦して三球目に失敗しただけで、他の四回は見事に成功しました。
再現性の低い撮影法であるならば、流石にこんなに高確率で撮影できませんよね。なので、本当にそこまで難しくないのです。
ちなみにこの時の設定は、こんな感じです。
フルサイズ機と単焦点レンズの組み合わせなのでボケが強く、絞り値がf4.5でも、このぐらいまでピントを薄くできます(ボールだけにピントを合わせられます)。
「Moment of Photographさん」という野球写真に特化した有名なブログにも同様の記事が掲載されています(ブログタイトルに"さん付け"するのって変ですかね・・w)。
このリンク先の記事で種明かしされてしまっていますが、
ネット裏のスタンド席から投手~捕手間にピントを置いておき、ボールの通過に合わせてシャッターを押すだけなんですよ。
トリミングの領域を広げるとこんな感じになります。写真の下、1/5ぐらいの広さだけグラウンドにピントが合っていますよね。ここにマニュアルでピントを置いておき(スタンドからグラウンドに向けてピントを斜めに突き刺す感じです)ボールの通過するタイミングに合わせてシャッターを切るのです(連写しても無意味なのでワンショットです)。
飛んでくるボールに対してオートフォーカスでピントを合わせるなんていう神業ではありません(笑)
一発で撮れる事はあまり無いですし、それぞれのピッチャーに合わせたタイミングがあるので何度かチャレンジをして感覚を掴む必要があります。不思議なもので一回タイミングを掴むと立て続けに撮れるんですよね。バッティングセンターで速い球を打つのに似た理屈なのかもしれません。
このような写真を撮る為の設定は、使う機材によってある程度変わってくると思うのですが、絞り値を出来るだけ小さくする事(ピントを薄くする事)が大事だと思います(ちなみに僕が使っている機材はEOS 5DmarkⅣとEF 300mmf2.8Ⅱ+エクステンダー1.4Ⅲです)
これと同じテクニックで撮影したと思われる写真がキヤノンのフォトコンテストで過去に入賞しております(僕が撮影したものでは有りません)。
すでに同じ手法で撮られた写真が入賞しているのでキヤノンのフォトコンテストでは通用しないと思いますが他のフォトコンテストなら行けるかもしれません。挑戦してみてくださいね!(笑)