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マンガと国語

 みなさん、こんにちは。
今日は、国語指導をしているとある生徒のお話です。

 中々、塾の国語の成績があがらない、どうしたらよいでしょうかということで、指導することになりました。
普段から読書習慣はなく、指導中もこちらの質問に明晰な、あるいは明確な返事が返ってきません。

 いったい、どうしたらこの生徒の成績を伸ばすことができるだろうかとあれこれ思案中です。
 やさしい内容の文章を選んでいるつもりですが、その内容によっては理解できる時とできない時があります。
そこで、学年を落とした問題にすべきかも思案中です。


国語

 通常は問題文を黙読してもらうのですが、ある時、一段落だけ音読してもらいました。それ以外は私が音読しました。
 その時に驚いたのは、「は、が、等」の助詞を見事に落として読んでくれたことでした。
これでは、内容の理解は難しいのだろうと思いました。
「誰が、だれに、何をした」とか「誰は、いつ、どうした」というたぐいのことを理解できないわけです。
「誰、何、いつ」そして「どうした」がつながっていないわけですからいくら黙読してもそりゃわからないわけですよね。

 どうして、このような現象がおきるのか、不思議に思いました。
そこでふと思いついたのは、マンガの影響ではないかということです。

 マンガは画像ですから、まず、絵柄で状況がわかる。誰とか意識しなくとも、この顔の人が別の顔の人に何かをしたということが言葉なくして理解できるわけです。
 最後は、あ~あ、面白かったというわけです。
というわけで、マンガやアニメで国語の成績が上がるとは到底思えません。

 だいぶ前にも別の生徒から、「先生、まんがでも読書になりますか」(読書はまんがでもいいですか:正確には)という質問を受けたことがあります。
 「それはだめですね」と当然のことながら答えました。
同時に、なぜ、「ダメか」というと、まんがの中で、「気持ちことば」は「セリフではなく、絵で描かれているから、ことばを増やすことにはならないよね」ということで、納得して帰っていきました。
 そういう訳で、物語文など人の気持ちを文字で読んで覚えることも大切なことで、マンガに気持ちことばが書かれていることは少ないと思うのです。

 よく外国人が、日本のマンガやアニメで日本語を覚えて、旅行程度は困らないくらいの日本語を知っているのをテレビで見たりします。
さらに、日本に興味をもって、日本語や日本の文化を学びに来ている外国人も多くいるようです。
 それはそれで、意味のあることですから良いことでしょう。
 
 でも、受験の国語は、マンガでは到底無理だと言い切ってもよいと思うのです。
 日本語において助詞はとても大切なことばです。
精読するためには、助詞を省いては、何が何だか理解できないでしょう。

 心を鬼にして、私は決心しました。
この生徒は、もう一度、基本中の基本から叩き込もう!
と。
これで、だめだったら、それまです。

 さてさて、どうなることやらです。




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