春のあけぼの
大切な人を失ってから、何度となく後悔や未練に押し潰されそうになっていた僕であったが、親友達の支えで完全に復活したことを自覚した。
先日、元カノさんと久しぶりに通話したのだが、笑って話ができた。
友人と話すように、余計な感情も無く、ただただ楽しく話すことができた。
伝えたかった感謝も伝えることができた。
通話の後、元カノさんとは後腐れなく楽しいままで別れることができた。
僕は確実に前へと進んでいる。
ーー少し前までは、常に暗い気分で埋め尽くされていた。
それはあたかも、吹雪が吹き荒れる暗い夜道を一人で歩いているかのような、圧倒的な孤独感と喪失感の中にいた。
しかし、僕の中に吹き荒れていた、後悔という名の冷たい嵐は、いつのまにか収まっていた。
今は、まるで春の雪解けのように元カノさんへの未練が無くなっていくのを感じる。
まるで夜明けの時のように、新しい明日が開けているのを感じるのだ。
ーー僕は今、とても充実している。
かつての友人達と久し振りに会い、遊ぶようになって色々なところに出掛けたり、話を聞くだけでも、とても楽しい。
自分の知らないこと、新しいこと、新しい経験。
こういうものに、次々と触れることができている。
改めて、元カノさんとの恋はとても良い恋だったと思う。
ここまで成長できるとは思わなかった。
数ヶ月前まで、廃人ゲーマーだった僕がここまでアクティブになるなんて誰が想像できただろう。
君は間違いなく、僕の人生を変えてくれた。
ありがとう。本当にありがとうございました。
ーー春の夜明け。春のあけぼの。
僕の現在を言い表すなら、この言葉こそ相応しい。
どこかの偉人が、四季の良い時間帯を記した作品があったが、確かこんなふうに書いてあった気がする。
春はあけぼのーー。
それに、昨日、おみくじを引いたら大吉だった。
もしかしたら、僕の運勢はこれから最高潮に達するのかもしれない。
そんな予感がする。