空からきて空に還る
「ママとパパは先にしんじゃうん?なんで?」
朝ごはんのグラノーラを食べながら3才の娘が問う。昨日から何度も繰り返して問われてる。
ことの発端は動物の図鑑。
犬のページを見ていて
「昔この犬飼ってたわぁ、ゴールデンレトリバーのももちゃんって言ってね」
と私がポロリと呟いた時から。
ももちゃんどこにいるの?
しんじゃったの?
なんで?
「しぬ」という概念をどうやって伝えるべしか。
病気になってね、治らず死んじゃったのよ
犬はね、人間よりも長くは生きれないのよ
噛み砕いて説明しようとしたけれど、納得できないみたいで
何度も
「ももちゃんなんでしんだの?」
と聞いてくる。
なんで病気になったのか
なんで犬は人より寿命が短いのか
なんで人はいつか消えてなくなるのか
改めて
私達が生きてる世界はなんて不明瞭で不安定で不思議なんだろうと
3才の視点を通じて思い返す。
「パパとママはね、あなたが好きな人と結婚して、赤ちゃんができて、その赤ちゃんが大きくなったくらいにきっと死んでしまうと思う。お空に還るんだよ。ほら赤ちゃんは生まれる前お空にいるでしょう、そこにまた還るの」
そんなお話をしたら
「じゃあさ!お空からずっと見てるんじゃない?」
と目を輝かせた。
そうだね、そうあってほしい。
きっと保育園から帰ってくる彼女は、おやつ食べたいとか言った後にまた
「なんで、、、」
を繰り返すのかもしれない。
私は子どもと過ごす中で、忘れ去った思考の道が照らされる事を毎日とても楽しんでいる。
おわり