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片づけで人生が変わるのは「後回しにしていた大事なことと向き合うから」説

今回のテーマも、「片づけ」と「人生」の結びつき。両者には「つながり」があるようだが、明確に説明するのが難しい。そこにミッシングリンクがある。その「見えないつながり」を探る。

今回は、片づけによって後回しにしていた大事な事と向き合うことで、人生が変わる説をご紹介。あなたにも後回しにしている大事なことはないだろうか?

1.なぜ人はモノを増やすのか?

「説」に行く前に、なぜ人はモノを増やすのか。この疑問に対しても、いろいろとご意見があるだろう。ここでは、全てを取り上げないが、近藤麻理恵さんの「人生がときめく片づけの魔法 改訂版」に次のような文があった。

散らかすという行為は、問題の本質から目をそらすための人間の防衛本能

人生がときめく片づけの魔法 改訂版P35

つまり、部屋をごちゃごちゃ散らかすことで、「本当の問題」を見えなくしている。別の言葉で言うと「逃避」。ことわざで言うと「くさいものにはふた」。イメージで言うと「本当の問題」をモノで覆い隠し、見えなくして心の安定を保っている。

2.なぜ人は本当の問題から目をそむけるのか?

次のようなことをした経験がないだろうか?テスト前にテストとは関係のない「部屋の片づけ」に没頭し、テスト勉強の時間をみずから少なくしてしまうこと。

このことを「セルフ・ハンディキャッピング」と言う。

よく考えれば、テストの点数を上げるのに良い方法は、テスト勉強に時間を使うこと。あえて他のことに時間を費やし、テスト勉強の時間を減らすことで、ハンディ(不利な条件)を自ら課している。

では、なぜ人はセルフ・ハンディキャッピングをするのか?理由は、自己防衛である。テストの点数が悪かった時に、勉強時間が少なかったからという「言い訳」を準備し、自分のプライドを守るのである。

これと同様に、「本当の問題」を解決できなかったのは部屋が散らかっていて、「本当の問題」に取り組めなかったからと言う。そのような人は、片づけをしようとしないし、仕事を詰め込んで、さらに時間のない状態にする。

また、これ以外にも「本当の問題」がつらすぎて、向き合うこと自体がリスクである場合もある。向き合わないことで心が安定しているケース。だから、本当の問題に❶「今」向き合う、❷いつか向き合う、❸一生向き合わないという選択肢がある。決めるのはあなたです。

できれば、❶「今」向き合ってほしい。なぜなら先送りにするデメリットも実は大きいからである。

3.セルフ・ハンディキャッピングのデメリット

自らにハンディを課して、問題の解決を先送りする「セルフ・ハンディキャッピング」には、以下のデメリットがある。

❶問題の解決が遅れる。
❷問題が解決する可能性が低くなる。

問題の先延ばしをすることで解決が遅れる。あるいは、取り組みが遅れ、解決しない可能性も出てくる。

4.片づけの役割

この場合の片づけの役割は、「本当の問題」を隠しているモノを取り除き、心の扉を開け、奥底にある「本当の問題」と向き合うことにある。

基本は1つ1つのモノと向き合うことだが、覆い隠すことが目的なので、いらないモノも実は多い。

できれば、片づけというよりは「本当の問題」に向き合う心に寄り添うカウンセラーのような片づけアドバイザーと一緒に行うと良い。

BS朝日の「ウチ、断捨離しました」で、やましたひでこさんが断捨離で次々とその家にある問題を解決しているのも、このパターンであろう。

5.片づけた後が大切

片づけが終わったら、いよいよ「本当の問題」に取り組むことになる。ここからが大切。お城で言えば、外堀が埋まった感じ。本丸にある「本当の問題」に取り組まざるを得ない状況。

目をそらしていた問題をしかっりと見つめ、問題の解決に取り組んでいく。

簡単に「解決に取り組む」といっても、そんなに簡単なものではない。問題によっては、解決しないかもしれない。

場合によっては、問題への執着を手放すという解決もある。いずれにしても、問題から逃げている自分と問題に向き合う自分では確かに違う。姿勢や生き方が違ってくる。

だから人生が変わる。

これが「片づけの魔法」の正体の1つである。
1つの説だが、ガッテンいただけただろうか?

片づけには計り知れない力がある。

(参考文献)


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