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ありがとうの向こう側にいる人は誰?

毎日バスに乗る。嫌というほど乗る。概ね無言の車内。響くのは運転手のアナウンスだけ。寂しからずや道を説く君。狭い車内で、延々独り言。タクシーだったら、運転手がしゃべれば客は返事をする。バス運転手の孤独。ときどき、降り際に「ありがとございました!」と子供が叫ぶ。誰かに言えと言われたとしか思えない、言ってやったぜ感ありありの投げ台詞。けれど、ときどきそれに言葉を返す運転手もある。孤独が癒されているならそれも良し。しかし、大人が降り際、「ありがとうございました」と降り口からは決して見えない運転手に顔も向けずに言う姿は気味が悪い、気持ち悪い。何か怖い宗教の人ではないかとおののいてしまう。仮に、後払いで、運転手の前を通って降りるときに、にっこり笑って「ありがとう」とでも言うのならまだしも。外国なんかで、路面電車から降りるときに笑いながら「サンキュー」なんて軽く客が運転手に言うのは、すごく自然なんだ。けど、顔も見ないで「ありがとう」って、なんのため?自己満か?もしかして、降りるときに脇によけてくれた人に礼を言っている?わきゃないな。謎である。どうでもいいけど。

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