#64:システム障害と向き合う
システム屋として、避けて通れないテーマ。
ひと言でシステム障害といっても、作業ミス、ハード障害から、要件漏れにプログラムバグと色々な原因がある。
また起きた時の影響も様々。人がやることなのでシステム障害は起きる。なので、もっと世の中(特に日本は完璧主義)には、システム障害に優しい眼差しを向けて欲しいとは思う。
…思うが、一方でシステム障害がもたらす影響にはシステム屋として真摯に向き合う必要がある、とも思う。
システム障害 〜本当の現場
我々の現場は、あくまでシステムが止まっているバックオフィスの中のことが多い。つまり、所詮それは社内。クレームや照会が来ていてもそれはあくまで社内からの問い合わせ。
一方で、営業現場、コールセンター、各種窓口でそのシステムを使っている場合、仮にシステムが止まった時、矢面でお客さんと対峙するのはその人たちである。いわゆる本当の現場。
システム障害はIT側で起きたが、本当に止まっているのは、最前線の現場だったりする。
現場のことは分かっている?
これまでも上記の内容は頭では分かっていた。
大きなトラブルの時、システム/ITからお客様宛のお詫び状を準備するケースもある。(それを現場で添削後、お客様宛に発信してもらう)
頭では分かっていたし、電話や会議で現場の人たちに平謝りしたこともあるが、やはり実感が伴ってなかったと気付かされる経験をした。
目の当たりにしたトラブルの現場
最近、目に焼きついて離れない光景がある。
うちのインターフォンに録画された映像だが、玄関で頭を下げている、ある業者の方の姿。
普段は毎週食材や日用品を届けてくれる業者さん。(○ープデリ的なやつ)でもその週は、なんとシステムトラブルで配送が全てストップ。その配送の最前線である現場は、何ひとつ配送できるものがないのだ。
在宅勤務の時、たまに配送されたものを受取りに玄関まで出るのだが、いつもハキハキ元気に明るく受け渡してくれる。その姿を知ってるだけに余計切ない。
その日は出社だったため、「配達の人は悪くないですよね」の声掛けすらできなかった。きっとあの後も、一軒ずつ回ってお詫び行脚をしているのだ。それは果たして、どんな気持ちで、どんな1日だっただろうか。
…
チャイムを鳴らしても出てこない玄関に向け、手持ち無沙汰の状態で見つめている姿が忘れられない。
システムトラブル連絡
当日にシステムトラブル連絡が事前メールであり、全て配送がストップすると知った。
もちろん驚いたが、システム障害の原因究明の話や対策などが詳しく書かれていて、職業柄、あの映像を見るまでは、まずそちらの方に同情的な感想を持った。
業者としても、その顧客としても影響の大きいトラブルだと思う。共働きの我が家も、日々の生活で頼っているため、やはり影響はあった。
システムトラブル連絡にも当然お詫びの文面はあったが、その一方で、配送担当の人は、直接面前でクレームを受けた場面もあっただろう。
その温度感は、どうしても随分違う。
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今回の経験でやはり現場のキツさは、システムサイドでは想像しきれないかもと思った。
システム屋として、システムトラブルはゼロにはならないことを知っている。ただし、だからといって、それに慣れてしまうことも違う。
次に大きなトラブルが起きた時、あのインターフォンの映像をきっと思い出すだろう。
長文お読みいただきありがとうございます😭