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それってもしかして「優越的地位の濫用」にあたるのでは
サステナビリティ分野を学び始めて約1カ月。1000日連続note更新への挑戦・29日目(Day29) は、「学んだこと」ではなく「ずっと気になっていたこと」をひとこと、メモしておきたいと思います。
私がサステナビリティ担当になってから、ずっと気になっていたこと。
それは、
温室効果ガス削減を推進するあまり、取引先や子会社・関係会社等に対し「優越的地位の濫用」をしているケースって結構あるんじゃないの…??
ということです。
たとえば異なる取引条件の提示とか…
探してみたら、やはりそういった指摘、ありました。
事業者が、温室効果ガス削減を目的として、取引の相手方に対して、取引対象となる商品・役務の品質等に関して従前と異なる条件(製造過程における温室効果ガス排出の削減等を仕様に盛り込む等)を設定したり、温室効果ガス削減に向けた取組の実施を要請したりすることがあります。取引条件の設定は基本的には事業者の判断によって自主的に行われるものであり、直ちに独占禁止法上の問題となるものではありません。また、温室効果ガス削減に向けた取組の実施によって相手方にコストが生じたとしても、当該上昇を踏まえて価格の変更について交渉・合意する場合には、独占禁止法上問題にはなりません。
他方、事業者が、自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、例えば、取引の相手方におけるコスト上昇を考慮することなく、既存の価格条件のまま温室効果ガス削減を目的とした要請を一方的に行う行為や、温室効果ガス削減を理由として経済上の利益を無償で提供させる行為は、正常な商慣習に照らして不当なものであると認められる場合には、不公正な取引方法の一つである優越的地位の濫用として独占禁止法上問題となります
「グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法上の考え方(案)」の概要
サステナブル調達を推進する中、ギリギリのケースが生じるということはあるような気がします…。
私自身も、似たようなことを経験したことが。
こちらは零細企業だというのに、大企業から一方的に「Pマークを取得しなければ取引を停止する!」と言われてつらかったです…
GHG排出量の開示はさらに問題含みかも
そして、個人的に最も気になっているのがこちらです。
「Scope1」と「Scope2」について、報告企業が支配していない「関連会社・共同支配企業・非連結子会社及び関係会社」から、関連するデータを適時に入手することは、作成者に著しい負担を生じさせる。また、データの提出を強制することは優越的地位の濫用につながり得ることから、コンプライアンス上の問題が生じる懸念がある。
ISSB「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項案」
及び「気候関連開示基準案」へのコメント
この提言にはScope1,2までしか書いてありませんが、Scope3においても問題になるケースは多そうな気がします。
サステナビリティ担当としては「きっちり把握せねば!」と思う一方で、現場ではこうした問題が起きている(かもしれない)ことを、ガバナンスやコンプライアンスの観点から常に意識しておかなければと思った次第です。
本日は何ら結論もありませんが、ずっと気にかかっていたことの備忘録として。この件に関するニュースや文献など、どこかで見つけたらまた加筆しようと思います。
それではまた明日。