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ESGの区分でサステナビリティサイトを構成するのは一般的なのか?



ESGに関する素朴な疑問

米ブラックロックのラリー・フィンクCEOが、ESGという用語を自身としては「もう使うつもりはない」と述べたとか、全米IR協会年次総会の会場では「RIP ESG」という言葉が聞かれたとか、今年(2023年)の夏には、「ESG」を使うことに少し躊躇するような報道がありました。


とはいえ、少なくとも日本国内では「ESG」の区分はなじみ深く、夏に結果が発表された「Gomez ESGサイトランキング」も、ESGの観点を中心にウェブサイトを評価しています。

では、ここで高評価を得ている企業の海外同業他社も、同様にESGでウェブサイトの開示を構成しているのでしょうか?素朴な疑問がわいたので、ちょっと調べてみました。


今回の調査方法


調査対象企業の選び方

Gomez ESGサイトランキングでは、総合順位10位以上を「最優秀企業」としています(出典:同社ホームページ)。その中で、3位の「日本電気(NEC)」と5位の「三菱瓦斯化学」を対象企業として選び、同業他社のサステナビリティサイトを調査することにしました。

※選定理由:
1位の伊藤忠商事は商社であるため海外同業他社を選びにくいこと、2位のソフトバンクは単体とグループがありわかりづらいことを理由に今回は除外。なお4位のリコーは、3位の日本電気と業種が(一部)かぶるため、5位の三菱瓦斯化学を選定しました。

海外同業他社の探し方

上記プロセスで選定した「日本電気(NEC Corp.)」と「三菱瓦斯化学(Mitsubishi Gas Chemical Co., Inc.)」の2社について、 ESGパフォーマンス・スコアのプラットフォームである「ESG Book」を用いてPeer Benchmarkingの対象企業を選出しました。


日本電気(NEC Corp.)の同業調査結果

Wipro Ltd.  


Accenture Plc

  • ESGの分類 → ディスクロージャーのカテゴリに一部あり


International Business Machines Corp.(IBM)

  • サステナビリティページのタイトルは「Impact」

    • ちなみにESGレポートのタイトルも「IBM Impact

  • 「Impact」ページの下に「Environmental」「Social」「Governance」の区分がある


三菱瓦斯化学(Mitsubishi Gas Chemical Co., Inc.)の同業調査結果

PI Industries Ltd.


Clariant AG

  • ESGの分類 → なし

  • サステナビリティサイトの構成要素

    • What sustainability means for us, Driven by ambitious targets to protect our planet, Sourcing responsibly, Contributing to the bigger picture


Croda International Plc

  • ESGの分類 → なし

  • サステナビリティサイトの構成要素

    • Climate Positive, Land Positive, People Positive, Non-financial performance and reports, Our Fundamentals, Safety, Procurement and sustainable sourcing, Ethics, Croda Foundation, Our Commitment, Innovation, Investors


調べてわかったこと

6社調べただけですが、サステナビリティページの構成は予想以上に多様であることがわかりました。「ESGの区分でサステナビリティサイトを構成するのは一般的なのか?」という問いに対する現時点の答えは「一般的とまでは言えないかもしれない」といったところでしょうか。

それにしても、ESG評価機関が評価する開示項目がどこに記載されているのかわかりづらいサイトも多々あり… それらはサステナビリティレポートやデータブック等にあるのか、評価機関はどこを見て評価しているのか…今後また機会を見付けて調べていきたいと思います。



以上、サステナビリティ分野のnote更新1000日連続への挑戦・36日目(Day36) でした。それではまた明日。

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