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点数ではかれる学力以外も、KPIになるでしょ!?

Sustainable Innovation Lab(SIL)は、持続可能な価値を創造し、それを社会に実装し、変革へとつなげていくための学びと共創のプラットフォーム(場)です。 この場には様々な課題、思いを抱く人たちが集い、プロジェクトを組成し、互いを観察し、学び合いながら前進しています。こちらの記事では、SILに関わりプロジェクトを回している具体的な人たちをご紹介します。

今回、ご登場いただくのは、宮崎彩さん。彼女は、大手自動車メーカーで、入社以来、生産技術職として働いていました。前回の記事では、彼女がなぜSILへの参画を決めたのか、SILで教育をテーマにどのような考え、活動をしているのかを聞きました。こちらの記事では、宮崎さんの具体的な活動内容について、もう一歩深くご紹介します。

前回もご案内したように、宮崎さんは、共同代表の白井さんと共に、「Network School」という構想を実現するべく奔走しています。具体的には、「個々の特性を伸ばし、すべての世代が学び続ける」ことができる教育の仕組みを創り、それを各地に広げています。なお白井さんは、日本で最初の公設民営のフリースクールを設立した方で、多くのNPOが加盟する新公益連盟の代表も務めています。

「学ぶ」「働く」の関係性について、従来とNetwork Schoolの考え方の比較

こちらの図にあるように、従来のシステムでは、高校や大学まで学んだら、企業などに就職して働き、退職を迎えたら後は余暇を過ごす、という流れでした。これは、寿命が60-70歳だったり、高度経済成長期のように社会がある程度一定だったりなら成立します。しかし、今や100歳くらいまで生きてしまい、VUCAの時代でもあり、この先に何が起こるか予測がつかず、どんどん変化し続けています。そういう時代に、いきいきと愉快に暮らすには、小中学校までで基礎的な学習を終えたら、働くもよし、進学するもよし、一度決めた選択肢でも働くと学ぶを繰り返す柔軟さが大切になりそうです。それを実現するのが、Network Schoolというわけです。

宮崎さんは、大企業で働く中で「ビジネスに必要な力を養うのに、本当に大学までの教育が必要なのか?」「社会人に必要な視点・スキルは、いわゆる通常の教育では賄いきれないのでは?」と考えていたわけですが、Network Schoolに関わってどう感じているのでしょうか?

「今、小中学校での学びの内容を検討しています。ビジネスでは定量的に測れるKPIが重要になりますが、Network Schoolではテストの点数での評価は不要なのでは?など、教育のあり方を根本的に問い直しています。

たとえば、子どもの中には、自然の中に入らせたらピカイチなのに、教室では力を発揮できない子がいます。でも、雲の流れから降雨を予測する力など、自然から学ぶ知恵、考える力は、十分にビジネスでも通用します。地域、歴史、伝統を肌で感じながら学ぶことは間違いなく意味がありますし、私自身が知らないことが多すぎる、と感じています」

今、Network Schoolの優先的な取り組み事項は、彼女たちが感じている価値を社会に対してどう伝えるか、ということです。従来の教育しか知らず、学力や点数でしか考えたことのない人たちが、うまく納得できる方法を模索しているそうです。なぜなら、教育において「これが正解」というものはなく、Network Schoolの卒業生がどう活躍しそうか、充実した時間を送るかなど、今は検証のあり方を詰めているとのことでした。

Network School構想のロードマップ

そんな中でも、2026年度の開校に向けて着々と準備が進んでいます。あなたも、Network School プロジェクトに関わると、自然とのふれあい、宮崎さん、白井さんとのやり取りを通じて、今とは違う考え方になるかもしれません。宮崎さんがそうであるように、これまでとは違う余裕が生まれ、新しい教育を創るという意志が育ち、そういう土台のもとで成長できそうです。

宮崎さんによると、「ビジネスとは、考える時間軸が違う。いろいろ揉まれる中で、その人なりに成長し、変化していく可能性がある。一人ですべてを動かさなくても、少しでも貢献できることがあれば全く問題ありません」とのことです。学校や社会の評価軸が一本やりになり、本当なら多様な才能があるのに受け入れる範囲が限定的になりがちな社会において、「稼ぎの大小」という分かり易さに流されないという価値感。もし少しでも関心があれば、SILの様子を覗けるLINEやDiscordに参加してみませんか?

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