【鮓】という漢字にこだわったワケ
こんにちは。
「與兵衛の鮓酢」の上田です。
今日は私たちが「鮓酢」という言葉を使っている理由をお話ししたいと思います。2つの理由から、あえて「鮓」という文字を選んでいます。
鮓酢に込める思い
一つ目は、「鮓」という文字が、「すし」を表現する最も古い文字で、「発酵食品」としてのすしを表現する際によく使われる文字だからです。
「すし」を表現する3つの漢字は新しい順に:
✔︎寿司
✔︎鮨
✔︎鮓
とあります。
元々すしの起源は「塩と米で魚を発酵させたもの」。そのため「熟鮓(なれずし)」を代表とした「発酵食品」としてのすしに、「鮓」というもじがつ分かれてきた歴史があります。私たちの製品では発酵を促す調味料としての存在する「すし酢」ですので、あえて「鮓」を選びました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/なれずし
また二つ目は、出身地である京都をはじめ、「関西」では寿司や鮨より、鮓を好んで使う店が多い気がしています。にぎりがメインの「江戸前」と違い、「箱寿司」のように、保存性を高めた「シャリ(酢飯)」に、魚をのせる昔ながらのすしの作り方が基本にあるからだと考えています。
私の父、辻與兵衛は大阪の佃にあった店で修行をし、京都に店を出しました。父が学んだ寿司は、江戸前の「魚ありき」というスタイルとは違ったように感じています。
というのも、前回のブログでもお伝えした通り、父は修行をはじめてから、魚の捌きかたや処理の技を磨く前に、とにかく「美味しいシャリありき」という考えを、当時の親方から叩き込まれたと言っていたからです。
昨年情熱大陸に登場された、江戸前寿司の職人でおられる難波英史さんは、ネタに合わせて「シャリ(酢飯)」の温度を調整されているそうですが、
https://www.mbs.jp/jounetsu/2020/11_08.shtml
私の父の店では「シャリ」は一定の温度、一定の味で、魚の処理をシャリに合わせる形でお客様にお出ししていました。そして、この「シャリ」を作るときに最も重要な存在である「鮓酢(すしず)」こそ、「与兵衛寿司」を作っていたと言っても過言ではありません。
さらに、すし酢を販売することにした際に、「父、與兵衛は、寿司を作る時だけに使うお酢ではなく、シャリ以外にも使うこともできる鮓酢を作り上げていたこと」から、商品名は「與兵衛の鮓酢(よへえのすしず)」としました。
原材料へのこだわり
ではその特徴的なシャリを作る際に用いられていた父の鮓酢はどんな原材料から作られているかというと
✔︎米酢
✔︎和三盆糖
✔︎塩
✔︎味醂
という4つです。4つだけ、と言っても良いかと思います。
これが全て。
このシンプルな原材料から、「與兵衛の鮓酢」は出来上がるのです。
父のレシピを元に作った鮓酢は、事業化に際して、公的な調査機関で、きちんとデータとしての成分を調べていただきました。
そこで分かったことは、「ただ美味しい」ということ以上に、
「体にいい」
ということだったのです。
一般的な市販のすし酢と比較した場合、次のことがわかっています。
左の数字は、「日本食品成分表(2015年)」に掲載されている巻き寿司用の「すし酢」の成分です。
一方、右の黄色い数字は、「與兵衛の鮓酢」の成分です。
マグネシウム、カルシウム、カリウムが一般的なすし酢に比べて、非常に高いことがわかっていただけるかと思います。
さらにお伝えしたいことは、この成分を「酢飯」として調理した場合も、成分に変化がないことなのです。
マグネシウムも、カルシウムも、必須ミネラル29種類の中で、1、2を争う重要な成分。人間の骨や歯を形成したり、柔軟性を保つために、欠かせない成分です。
生活習慣病を治すことや、アンチエンジングなど、マグネシウムというミネラルに対する注目は日々増しています。そんな中、美味しくご飯や野菜をいただく中で、「たっぷり」必須ミネラルが摂れる調味料として、「與兵衛の鮓酢」というものの存在をもっと多くの方に知っていただきたい。そんな思いでいっぱいです。