「はたらく」の先には、物語がある。
「はたらく」との最初の出会いは、小学生の頃、休日の実家にあった。
父は小さな設計会社に勤めていた。会社は実家からほど近い場所にあり、地元の企業や団体に設計機器を卸していた。
母は専業主婦だった。料理が上手で、本をよく読んでいた。実家には小説から哲学書まで、たくさんの本があった。
ある日、休日出勤していた父が、お昼を食べるために家に戻ってきた。学校が休みで手持ち無沙汰だった自分も、一緒に母のつくったお昼ごはんを食べた。
少しだけ会話をしてお昼を食べ終えると、父はソファで