低温調理機(BONIQ Pro)をポチって、「我が生涯に一片の悔い無し!」と叫んだ話
クラファン発の低温調理機であるBONIQ(ボニーク)が15%オフのキャンペーンを実施していたので、勢い余ってポチってしまいました。
いや、Anova(アノーバ)も選択肢に含めて前々から買おうか悩んでいたのですが…。なにせ「BONIQ Pro」は15%オフでも27,863円する高額調理器具です。ポチった瞬間は「本当にこれで良いのか!?」と思ったものです。
…しかし、結論から言うと、買って大正解でした。1品目の料理を作っただけで、「我が生涯に一片の悔い無し!」と拳を天に掲げて叫びました。
低温調理機はフライパンやオーブンでは表現できない火入れや調理法を使えます。しかも、放ったらかしにして。料理好きにとっては、もはやドラえもんの道具。流石、フランスでは「焼く」「蒸す」「煮る」に次ぐ、「第四の調理法」とみなされているだけあります。ちなみに、フランス語、英語における真空低温調理法の表記は"Sous Vide(スゥヴィド)"。「真空低温調理法」よりも何処となく格好良い響きに聞こえるのは僕だけでしょうか?
上記のMacを彷彿するBONIQの箱を開けると、このようなメッセージが現れます(笑)
低温調理機で試みたいこと
僕は「BONIQ Pro」を用いて、主に魚介類の調理を試してみたいと考えています。理由については、鮨ブログを運営している魚好きだからと言うのもありますが、一番大きな理由はWEB上には魚介類のレシピが少なく、肉中心である事が否めないためです(次項で詳述します)。
これについては、低温調理が編み出された国がフランスで、定着した国々が欧米だからか?と推察しています。もちろん美味しい魚介料理もある国々ですが、魚の分類については、日本とは雲泥の差です。"Sous Vide"についての洋書を紐解いて見ても、魚介レシピは少ないように思いました。
また、日本人も肉の方が写真映えするためか(笑)、肉レシピが圧倒的に優勢です。しかし!日本の漁獲量は右肩下がりですが、いや、だからこそ日本人らしい魚介の低温調理を編み出して、世界に魚愛を示す事が出来たら最高じゃん?と考えています。
みんな、魚を食べよう!
そして、ゆくゆくは発酵調理も行いたいと思います。ただ、魚介の低温調理も発酵調理も科学的なエビデンスを押さえる必要があるので、慣れてきてから…で、ご了承ください。
BONIQの公式サイトに紹介されている魚介系レシピ
研究に入る前に、BONIQの公式サイトに紹介されている魚介のレシピを集計してみました。ちょっと面白いデータなので、ご紹介します。掲載されているレシピ数は重複を除いて45でした(2020年8月執筆時点)。
数はそこそこあるのですが、魚種ごとのレシピ数と比率を集計してみたところ、以下の通りです。
サケ・サーモン:7つ、15.6%
サバ:5つ、11.1%
マグロ:4つ、8.9%
タラ:4つ、8.9%
カジキ:3つ、6.7%
秋刀魚:3つ、6.7%
これら6種の魚で60%弱となります。意外に魚種が限られていますよね?
また、紹介されているレシピには他の調理法で作れる料理を低温調理機で作り直したようなものも散見され、肉に比べると興奮やときめきが少ないと感じました(メモ代わりに全レシピを最下部に記載します)。そこで、自分は以下の方向性で検証していきたいと思います。
・低温調理を行う必然性のあるレシピ(他の調理器具では表現できない料理)
・余計な調味料の足し算は排除して、魚の魅力を引き出すレシピ
・大衆魚の魅力を再発見できるレシピ
・意外性のある魚を用いたレシピ
方法論として、自身の調理の知識とレシピ本だけでなく、可能な限り科学論文にも目を通して調理研究をします。こんなこと、プロの料理人は面倒くさくてやらないと思います(笑)
結果的に、料理好きな一般人の方はもちろん、プロの料理人の方の参考になったり、料理のインスピレーションを得て頂いたりすれば良いなーと考えています。
次の記事から、実際の調理のお話に移りますので、ご期待ください。お付き合い頂けましたら幸いです!
【メモ代わり、BONIQ Pro公式サイトの魚介レシピ】
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僕が一番気になったのは、圧倒的に【毛鹿鮫】です(笑)
低温調理に関心のある方は、【低温調理器についてのブログ記事】をご参照ください。
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