ドイツの寿司店でヘッドシェフを務める岸本さん 成功するのは目的や信念がある人
寿司シェフコース卒業生座談会で卒業生の先輩から後輩たちへ海外就職の話をしていただきました。
岸本です。よろしくお願いします。
海外で飲食店を出すときのキホン中のキホン
その土地の味覚に合わせることです。外国人はみんなマヨネーズが好きだと思っていたんですが、意外と嫌いな人もいるということに少し驚きました。
皆が好きなのはウナギや焼き鳥などの甘辛いタレですね。ロールの付け合せとして提供すると喜ばれます。あとは醤油かな?ドイツ人は味噌汁やうどんにも醤油を入れたりしています。
驚かされることは日々たくさんありますよ。
岸本さんが勤務する「HAGURUMA」が取り上げられた新聞記事
店の評価を決める「おもてなし力」
店ではヘッドシェフとして働いています。僕は美味しくて綺麗な寿司を提供するだけではダメだと思っています。だってそれはどこでもやっていることだから。
大切なのは、そこにサービスという付加価値をつけることだと思うんです。例えば、うちの店ではお箸をお客様に出しているのですが、上手く使うことができずに床に落としてしまうお客様もいらっしゃいます。
箸が落ちる音が聞こえたらすぐに新しい箸をもっていき、お客さんが拾い上げる前にはもう新しい箸がでている状態にする。お客さんからしたらびっくりだったようでこれを実践しただけでうちの店は新聞にのったんですよ!
日本ならではの心配り・おもてなしをするとお客様は確実に感動してくださるので接客サービスには特に力を入れるようにしています。
目標を持ち、クリアする。そこから生まれる自信
僕が在学中にもっていた目標はアルバイト先である回転寿司屋さんで、卒業するまでに一人で店を回すことができるようになることでした。
実際、花板(板場を仕切る最高責任者)として店を回していけるようになったとき、自分自身の技術力や現場力に自信を持つことができました。もちろん経験値としてある一定以上の修業は必要です。
ただ、「自分で自信を持てるタイミングはいつなのか」を明確にしたうえで過ごすよう意識することで、日々自分がやるべきことが見えてきます。
皆さんはどのような理由で海外就職を考えられていますか?夢だったから、日本とは違った環境で働いてみたいから、視野を広げたいから・・色々な理由があるかと思います。
ただ、1つ忘れないでいただきたいことは、僕たちは海外で「働いている」ということです。日本人オーナーのお店であればやはり日本のように拘束時間は長いですし飲食業には体力も必要となってきます。
文化や環境の違い、理想と現実とのギャップに直面し苦しい想いをすることも必ず出てきます。それでも成功する人達は、目的や信念をしっかりと持っている人だと思います。
しっかりと自分自身と向き合って、夢を実現させてくださいね。
※この記事は2016年6月に東京すしアカデミーのWEBサイトで公開されました。
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