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人生はマルチジョイ?
〇マルチジョイ時代の疲れ
現代は「マルチジョイ」の時代だ。スマートフォンの画面をスクロールすれば、無限に広がる娯楽の世界。SNSで誰かが投稿した絶景写真や流行りのダンス動画、最新の配信ドラマや映画。音楽ストリーミングサービスでは「次に聴くべきプレイリスト」が常に提案され、気づけば複数の娯楽が同時進行で押し寄せてくる。
このように、私たちは日々マルチタスクで「楽しむ」ことを求められている。映画を観ながらスマホでSNSをチェックし、同時に音楽を流す。新しい趣味を始めるための情報収集をしながら、過去の趣味に関連する動画を観る。何かを楽しむこと自体が、忙しいマルチタスクになってしまっている。
しかし、そんな「マルチジョイ」は本当に楽しめているのだろうか。情報が次々と押し寄せる中で、目の前のものを一つずつじっくり味わう時間はどこに消えてしまったのだろうか。
〇マルチタスク・マルチジョイの限界
情報と娯楽が氾濫する現代、私たちは「すべてを楽しむ」という目標を押し付けられているように感じる。しかし、それはあまりにも非現実的な期待だ。すべての流行に乗ることも、すべての娯楽を追うことも、人間の脳には限界がある。
NetflixやAmazon Primeなどの配信サービスを例に考えてみよう。おすすめされたドラマを見始めても、「次にこれを観てはどうか」という提案が次々と現れる。それに加えてSNSでは、「この映画が話題」「あのゲームが面白い」といった情報が飛び交う。選択肢が多すぎて、どれを選べばよいのか迷ってしまい、結局どれも中途半端に終わる。
この状況で起こるのが、「マルチに楽しめない罪悪感」だ。最新のドラマシリーズを見ていないことで会話についていけない、流行の曲を知らないことで取り残された気がする。すべてを楽しむことができない自分に失望し、気づけば娯楽そのものがストレスになっている。
さらに、マルチジョイの最大の問題は、「浅さ」だ。複数のことを同時に楽しもうとすることで、一つ一つの体験が薄くなり、満足感を得られなくなる。映画の内容が頭に残らない、本を読んでも心に響かない。楽しむための時間を割いているはずなのに、どこか物足りなさを感じてしまう。
〇シングルタスク・シングルジョイの提案
ここで提案したいのが、「シングルジョイ」の考え方だ。すべてを追いかけようとするのではなく、一つのことに集中して楽しむこと。それは、あえて「マルチジョイ」に反逆する生き方でもある。
シングルジョイを実践するために重要なのは、「一つに絞る勇気」だ。周囲の情報に流されるのではなく、自分が本当に好きなこと、自分にとって意味のあることに時間を注ぐ。新しいことに挑戦するのも良いが、すでに自分が好きなものを再発見するのもおすすめだ。
たとえば、昔好きだった音楽をじっくり聴き返す時間を作る。流行の映画ではなく、過去に感動した作品をもう一度観る。趣味や興味の対象を一つに絞ることで、マルチジョイがもたらす焦燥感から解放され、深い満足感を得られる。
シングルジョイには、「すべてを楽しむ」ことを放棄する勇気が必要だ。しかし、その放棄こそが真の自由を生む。一つのことに集中することで、得られる喜びの深さはマルチジョイでは味わえないものだ。
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