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雑文・世界線




 世界線という言葉がある。初出はおそらくノベルアドベンチャーゲームの『シュタインズゲート』のはずで、簡単に言うと我々が今生きる世界とは別にある平行世界の事である。平行世界という言葉自体もSFの概念であるのだが、これはまあドラえもんやドラゴンボールなどの有名な漫画作品にも出てくるので、今を生きる人ならまあ説明しなくてもなんとなくわかるだろう。ドラゴンボールでいうと、漫画本編の世界とタイムマシンで未来トランクスがやってきた世界はそれぞれ別の世界として独立しているという事である。元々は一本の流れで繋がる歴史が、トランクスの未来から過去への介入により、
①本編の世界。悟空が心臓病で死なず、生存。17号18号を吸収し完全体セルが誕生するが、悟飯によって倒される。17号18号は生存し、悟空の味方となる。
②未来トランクスの世界。悟空が心臓病で死亡。ここでの17号18号は極悪人で、世界は滅ぼされ、主要キャラもほぼ殺害されている。過去から帰還したトランクスにより17号18号は破壊、第一形態セルも倒し、世界は平和となる。

という、2つの世界が平行して存在することになる。(最終的に未来トランクスの世界は消滅するが、とりあえず今回の話では置いておく)

 ドラえもんでいうなら、もしもボックスによって生まれる世界の事で、ifルートだのifの世界などと一般的に呼ばれるアレのことです。大長編ドラえもんの魔界大冒険では、のび太ドラえもんは元の世界の冒険もこのif世界の冒険も記憶にあるけど、それ以外の3人は記憶にないっていう扱いになるんですよね、確か。なので、厳密には平行世界ではないっぽい。

 このまま延々と漫画語りになりそうなんで話を戻しますが、世界線という言葉はシュタインズゲートによって一般化しました。作中で死亡してしまったキャラを救うためにDメールという技術を用い、携帯電話で過去にメールを送ることにより歴史改変が発生する。これにより「世界線の移動」という現象が起き、人々の記憶は書き換えられるのだが、主人公だけは過去改変前の記憶を保持し、この特殊能力を生かして、誰一人犠牲の出ない世界線を目指して奔走する、、というのがあらすじである。

 と説明しましたが、私このシリーズいろんなバージョン購入してますが、まだ通しでクリアまでやった事がないという、、、。今は亡きゲームメーカーKIDの事実上後継メーカーから発売されたという事で、この作品が大ヒットしたときはよかったなあと安堵したものです。世界線という言葉が一般化したのも、この作品がどれだけ影響力が大きかったことを示していますね。

 長々と世界線について説明してきましたが、人間、前を見てばかりはいられないもの。過ぎ去りし過去に想いを馳せ、あの時ああしていればよかった、どうしてあそこであんな選択をしてしまったかと後悔する事は多いと思います。私も高校のとき自分を好いてくれた子と、もっと積極的に接していれば、、、とか、一時期一緒に住んでたお嬢様が学業のため実家に戻ったけど、結局想定してた進路に進まなかったので、だったら無理してでも引き留めたほうがよかったのだろうか、、、などと、時々あり得たかもしれない別の世界線の話を考えます。最終的に皆が幸せに生きていればよいのですけどね。でも、人は誰かを傷つけて、誰かに傷つけられながら生きていくもの。自分にとって最善と思った選択は、別の誰かを傷つける選択かもしれない。自分だけ幸せになればよいってもんじゃない。自分の選択によって起きた結果については、良いことも悪いことも享受しなければいけない。誰かの笑顔の裏には、だれかの涙がある。そんな泣いている人の事を、けっして忘れないように生きていこうとは、思う。

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