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雑文・転倒


 諸々の疲れが溜まっているのだろうか。最近は月一回のペースで、徒歩通勤中にブッ倒れてしまうという状況に陥る。倒れ方はそれぞれで、足がもつれて転んだり、睡眠不足による寝落ちだったりといくつかのパターンがあるが、とにかく倒れてしまうのだ。しかし、一瞬で復活し、また立ち上がり、なんとか動けるので、ちょっとした眠気覚ましみたいなものだと考えていた。

 つい先日も倒れてしまったのだが、多忙だったプライベートの状況も少しは落ち着いたこともあり、睡眠も食事も充分に取っていたので、え、これでも倒れてしまうのかと自分でも驚いた。そこそこ寝ているにもかかわらず、なぜか意識は朦朧として、身体が通勤ルートを覚えているので、ゲームでいう自動操作モードを発動して半分寝ながら歩いていたのだが、急にブラックアウトして倒れてしまった。

 膝付近に強烈な痛みを感じ、それで倒れ込んでた事に気付いた。道行く女性に「大丈夫ですか?」と声を掛けられ、無事であることを証明するために立ち上がった。あのまま気を失っていたら警察あたりに通報されるところだった。それは困る。しかし、見知らぬ方に心配していただけるありがたさを感じた。あのとき声を掛けていただいた方には本当に感謝したい。

 しばらくして、膝を見たら、それまでなんともなかったズボンが豪快に破れ、皮を擦り剥いて血塗れになった傷跡が見えた。ズボン破れるほど強烈な転び方をしているとは、転倒時には気づかなかったので驚いた。痛みは、後からやってくるのだ。そう、痛みはいつも遅れてやってくる。

 心の痛みだって、遅れてやってくる。
 生きるために、失いたくないものを、自分を騙すように捨ててしまったり、実際騙されて捨ててしまったり、そのまま生きていくためには冷静さを失って、わざと心を馬鹿にしてやりすごさなきゃならない時がある。失ってしまったものの価値を知っているのは、もちろん自分なのだ。他人からどう言われても、それは自分がいちばんわかっている。激しい怒りを覚えながらも、どうにか我慢して自分を納得させ、従わなければいけないことも多々ある。

 失ったものがあまりにも多すぎたのかもしれない。どうにか平気でやってますよ、という振りをして自分の心を騙すのに疲れを感じているのかもしれない。その損失の原因が全て自分なら納得もできたが、そこには明確な悪意を持った連中の介入があった。人を騙し陥れて日銭を稼ぐような汚い人間を目の当たりにした。あなたの環境はもっと良い方向に向かいますよ、などと言って目的達成のために長い時間を掛けて騙す。そんな吐き気をもよおすような邪悪な連中に振り回されたことの疲れがある。人を騙して、大金を得て、億り人ですか。おまえら全員地獄に落ちた方がいいよ。
 汗水流して毎日働いて、周りから馬鹿にされ説教をされ、そうやって日々、影では泣きながら生きているような人たちがいるから、この世界は成り立っているんだ。そんな人たちを見下して笑うような人間に、絶対に私はならない。

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