タイムスリップ自分ログ 第5回
雑文集『ステキなブンゲイ』より
やさしくなりたい
平穏な日々を心から望んでるのに、そうならないのは何故なのか? 今はとにかく何もかも忘れて眠りたい気分だが、頭の奥の鈍い痛みに耐えながら起きて頑張るしかない。やる事はいっぱいある。いくらでもある。小説を書く、思い浮かんだあれこれを形にしていくのは、いちばん楽しくて、正直これに集中していたいのだが、そういうわけにもいかないのだ。土砂崩れにより崩落したトンネルの中で、出口を目指して、積み上がった岩をひとつひとつ除けているのだが、いつまでたっても外への光は見えてこない。そんな気分だ。
強くなりたい 強くなりたい
我慢ばかりじゃ 誤魔化しばかりじゃ
斉藤和義の『やさしくなりたい』のフレーズが頭の中でリフレインしていた。
生きてくんなら、不器用でも、不恰好でも、非効率でも、とにかくがむしゃらに生きてくしかないんですよ。誰かから、おまえのやり方は間違っていると言われても、そんなやり方でしか生きられない人間もいるんだ。笑顔で頑張りますと答えても、頭ン中じゃあ悔しさと惨めさでいっぱいだ。それでも、昨日よりも少しでも、前に進んでいればいい。
例え、君が泥水の中を無様にのたうち回って、汚れに汚れて、周りから「汚い臭い」と言われてても、僕は君に手を差し出すだろう。そうして、泥水の海の中を君と一緒に泳げるなら、そんなに素敵なことはない。僕たちを馬鹿にした奴らに泥水をはねつけてやれ!そうして、僕と君は笑い合う。いつか誰よりも美しくなることを願ってーー
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