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眞水清輝
2025年2月27日 06:03
もものせっく 3年2組 寺田まさ子 今日、学校に行ったら、担任の小林先生がこうふん気味に言いました。「時は今、エッセイ戦国時代! エッセイがバズれば、本になって印税でもうけることができるんだ。この学校はびんぼう人の子どもばかりだけど、エッセイでいっかく千金のあめりかんどりーむを実現できるんだよ! さあ、みんな、作文王めざして頑張ろうじゃないか! 作文王になって札たばの
2024年9月5日 13:05
9月1日、アイスクリーム、彼女は転校した1 夏休みが終わり、久々に学校に行くために乗りたくも無い電車に乗る。取り立てて、たいした思い出もない夏休みだったが、これからまた学校が始まると思うと憂鬱になる。友人の彰彦は、休みがずっと続くと不安になるから学校早く始まんねーかなと言っていたが、僕にはまったく理解できない理由であった。休みが続くなら、それに越したことはない。勉強は面倒臭いし、体育の時間
2024年9月13日 12:44
晴野雨音[はるの あまね]は雨女である。 遠足、運動会、修学旅行、その他もろもろのイベントごとが行われるたび、雨が降るのである。小学生の頃、運動会のたびになぜか毎回雨が降るのを疑問に思った雨音は、5年生の運動会の朝、「おなかが痛い、とにかく痛い、めっぽう痛い」と母親に訴え、学校を休んだのである。いつもおとなしい娘が、気のふれたように腹の痛みを訴えるので、母親は驚いた。盲腸だろうか、はっ、もしや
2024年9月16日 17:45
暈原真守[かさはら まもる]は傘屋の息子である。いや、正確には傘屋というよりかは雨具全般を扱っているのだが。彼の父、暈原太蔵[たいぞう]は大学卒業後に大手アパレルメーカーに新卒で入社、トップ営業マンとして活躍し、26歳でやはり大手デパートの受付嬢であった麻由理[まゆり]と結婚。息子の真守の誕生を機に独立。「俺の名前、暈原[かさはら]っていうから、やっぱ傘をメインにしたメーカー立ち上げたかったんす
2024年9月17日 23:56
神凪律子[かみなぎ りつこ]は中学教師である。昨年度まで夜職だったのだが、大学で教員免許を取得していた事もあり、今年度から教師となった。律子の家は裕福ではなかったが、赤子の頃から出会った誰もが褒め称えるような美貌を持ち、さらに優れた頭脳と運動神経を備えた彼女は短大に合格後、なぜか銀座の高級クラブで働き始めた。学生時代、その人並外れた容姿は学区外にまで噂になり、その噂を聞き付けたいくつかの芸能事務