ニンジャスレイヤーをAoMシリーズから読み始めよう
【2019/12/07追記!】
公式のニンジャ紹介文はこちらです。
ニンジャスレイヤーAoMとは?
ニンジャスレイヤーAoM(Age of Mappor-Calypse)とは、ニンジャスレイヤー=マスラダ・カイを主人公とした、現在連載中の新シリーズです。ニンジャ大国である日本から解き放たれたニンジャたちが世界中の様々な場所で生き、所属するカイシャのため、己の治める国のため、そして虐げられるモータルを救うため……様々な理由でイクサを繰り広げます。
元々ニンジャスレイヤーは群像劇でしたが、AoMシリーズに入ってからはますますその色を濃くしています。多くのニンジャたちが主人公であるニンジャスレイヤーとは何も関係なく生き、何も関係なく死んでいきます。AoMはファンからオープンワールドゲームに例えられることがあります。多分。私が例えてるだけかもしれません。とにかく、それほど世界は広いです。
次章から、なぜAoMシリーズから読むことを勧めるかの解説をしていきます。
ちなみに、旧シリーズ(トリロジー)との関係は以下のようになっています。
トリロジーシリーズ(フジキド・ケンジを主人公としたシリーズ。第1部~第3部という区切り方)
↓
AoMシリーズ(マスラダ・カイを主人公としたシリーズ。第1シーズン~第nシーズンという区切り方)
イチから追いつかなければ人権がないという思考を捨てろ
ニンジャスレイヤーの連載は既に8周年を超えています。話の量も膨大です。8年の量に立ち向かおうとしても、というよりまず立ち向かう前に尻込みしてしまう人が多いと思います。しかし、今から追いつくのはキツそうだしなあ……という理由で諦めてしまうのはあまりにももったいないです。
一方、AoMは連載開始(2016年10月)からまだ2年しか経っていません。超単純計算で4分の1の早さで最新連載まで追いつくことができます。2乗すれば16分の1です。これは画期的なハッキングと言えるでしょう。
しかし、皆さんは思ったことだと思います。「それだと途中で明かされた重大設定とかキャラ設定とかわからない……既存読者にナメられる……」と。心配無用です。最初から読んでもわかりません。
主人公も舞台も変わった
AoMの主人公は、トリロジーまでの主人公ニンジャスレイヤー=フジキド・ケンジとは別人です。彼の名前はマスラダ・カイです。
彼はニンジャスレイヤーになりたてホヤホヤで、しかもアーティストだったので、ニンジャの世界を……闇社会を知りません。世界を知りません。そういった点で、読者と同じ場所に立っていると言えます。
今言った読者とは、新規読者に限りません。既にトリロジーをコンプリートしている既存の読者も含みます。なぜならば、AoMはトリロジーから10年もの歳月が経過しているからです。ネオサイタマの10年は三世代の興亡に等しいと言われています。その10年の間に、日本という国家が解体されて、プロ浪人による受験産業が賑わい、死んだはずのメインキャラが鴉になっていました。もはや何もわかりません。
その上、トリロジーの舞台は日本国内でしたが、AoMからは世界へと広がりました。つまり、途中から読み始めると設定がわからなそうだから最初から読もうと思っても、結局AoMに入るとまたわからなくなるのです。それに、トリロジーの最初の話は「これまでのあらすじ」から始まります。設定わからなそう、というのは諦めて受け入れましょう。繰り返しますが、どこから読もうとわかりません。
そして、わからないまま読むという読み方を作品自体が受け入れています。多分。主人公が放った以下の台詞は、それを象徴するものと言えるでしょう。多分。知らないですけど。適当言いました。
シキベは顔をしかめた。「……本当にわかったンスか?」「必要な事はわかった」ニンジャスレイヤーはぞんざいに頷いた。「何故だの、どうしてだの、イチイチ問い詰めていられるか……」そして彼は目を閉じた。 −【ダメージド・グッズ】より
時系列順に読みたいというニーズを叶える
トリロジーまでのニンジャスレイヤーは、時系列がバラバラに連載されていました。これには利点もあり、ほとんどの話が一話完結なため、どこから読んでも大体大丈夫でした。ですが、やはり時系列順に読みたいというニーズは強いです。私の観測範囲では、新規読者の結構な割合の人がwikiの有志の考察による時系列順に読んでいるようでした。というより逆に連載順に読む方法を探すほうが難しい気がしました。
ですが、AoMであればその心配はありません。AoMは時系列順に連載されているため、必然的にこちらも時系列順に読むことになります。もう「知らない話でいきなり大事な設定が開示されてたら嫌だしな……」と不安に襲われることはありません。
平均点が高い
AoMは面白さの平均点が高いです。どの話を読んでも極端につまらないということはありません。一方、トリロジー、更に言えば第1部の特に初期のエピソードでは波の高低差が激しいという印象です。ソリッドであると言えばそうなのですが、始まって数話でいきなり主人公の師匠が初登場してしかも既に知り合いで、ライバルと相打ちになって死ぬ展開は、面白いと感じる前に考え込んでしまう気がします。
もちろん、キックアウト・ザ・ニンジャ・マザーファッカーや、レイジ・アゲンスト・トーフなど、第1部初期でも面白いエピソードはあります。ですが、他のエピソードと高低差が激しすぎて最初から通しで読むには人を選びすぎるかもしれないと感じます。AoMは6年の連載を経てから執筆されたものなので、ソリッドさやパンチ力は下がったかもしれませんが、蓄積されたパワーが文章の読みやすさ、面白さなどを含めた平均点を押し上げています。
【2020/05/24追記!】
「ソリッドさやパンチ力は下がった」なんてことはありませんでした。現在シーズン3「ネザー京編」が連載中ですが、こう、色々と、すごいことになっています。
トリロジーを読まなくても問題ない
トリロジーシリーズは、いわばスターウォーズのエピソード3までのようなものです。スターウォーズはいきなりエピソード4から公開されるというロックな手法を取りましたが、映画を見る上でなんら不都合を引き起こしませんでした。それと同じで、ニンジャスレイヤーもAoMから読んでもなんら不都合を引き起こしません。「引き起こされた!」と思っても、その5割くらいは恐らく既存読者も「引き起こされた!」と思っているでしょう。
「でもニュービーが最新の部なんて読んでると、イキってるとか言われてナメられる……ナメられるわけにはいかねえ……!」という方もごあんしんください。ニンジャスレイヤーを連載しているチームは、あらゆるタイミングで新規読者に優しくするよう呼びかけています。たとえ設定を間違えて誰かに嘲笑されたとしても、気にすることはありません。気にしたとしても、反省するのではなくそいつに中指を立て、そのまま鼻の穴に指を突っ込んでやりましょう。喉の奥でもいいですよ。
読み方を伝授する
【2019/12/07追記!】
本編追う用のまとめを作成しました。コース料理のように本編を読むためのリンクを提供します。このコース料理を食べるなら、このセクションは飛ばしても大丈夫です。ただブラウザのtogetterはデザインが最悪級なので、アプリ入れたほうがいいかもしれません。アプリは見やすいです。
【追記前】
「伝授だと?オレは誰にも指図されねえ……ナメるんじゃねえ……!」とお思いの方もいるでしょう。しかし、ここまで散々勧めておいてあれですが、AoMシリーズから読むのは自力だと相当キツいと思います。AoMはメインストーリーをTwitter(無料)とnote(有料)で、サブストーリーをnote(有料)一本でという形式なのですが、wikiのAoMのページを見てもどれが有料でどれが無料なのか、パッと見ではわかりません。よく見るとわかるのですが、初見だと5秒くらい時間がかかると思います。
なので、ハードルを下げるためここに第1シーズンを読む方法をまとめます。マジでナメてんのか!?と思われるくらい仔細にまとめます。私はニンジャスレイヤーAoMシリーズを読んでもらうために必死です。ちなみに、この方法ではTogetterにまとめられたものを読むことになるのですが、「オレはTogetterの読みにくさが嫌なのでカネを払ってでもnoteで読みてえ……!」という方は、ニンジャスレイヤープラスに登録し、最高のニンジャ体験をしましょう。
1.ここにアクセスする
2.赤い丸で囲んだ場所をクリックする(なんか画質悪いですね)
3.読む
4.読み終わったら次のセクションをこういう感じに読んでいく
5.全部読み終わったら、今度はここをクリックする
6.読む
7.繰り返す
【2019/12/07追記!】
NJRecallsという、ニンジャスレイヤーを読むためのアプリがあります。あなたが「ハマってきたのでもっとニンジャ体験を加速させたいぜ……!」となったとき、特にトリロジーを読むのであれば、ニトロブーストめいて体験がジェットします。反対に「まだハマるかどうかも未定だぜ……」という方は、上記の手順のほうが読む順番とかに迷いがないかな、と思います。
ニンジャスレイヤーを読め
ニンジャスレイヤーはギャグな意味でも、シリアスな意味でもとても面白いです。もしあなたがSFや群像劇が好きならば、一度は読んでみてほしいと思います。SF好き、群像劇好きのニーズを完璧に満たし、かつ新規読者にも優しい選択肢となれば、AoMシリーズです。
まずはトーメント・イーブン・アフター・デスを読みましょう。そこから継続するかやめるかは、まず読んでから考えましょう。なので読みましょう。読め。読むんだ!読めと言っているッ!イヤーッ!
おわり
(せっかくなのでnoteの企画に参加しましたけど、とはのやつと推薦図書のやつダブル参加してる感じになっちゃいましたけど、大丈夫なのでしょうか……?まあ参加できてるってことは大丈夫ってことですね!ポジティブ!)