心の内省日記1〜フラッシュバック〜

大きなプレッシャーを抱えた時が過ぎ、しばらくマイペースで平穏に仕事もプライベートも過ごしていた。睡眠障害も少しずつ開放に向かっていた。しかし、そんな時は長くは続かなかった。今振り返るとそれは束の間の休息であり、これから長い嵐の中に身をなげることになる。そして、その時の心の傷が今も消えずに残っている。

元々マルチタスクをこなすのが得意ではなく、自分の状況や考えを整理するのに時間がかかる。学生の頃の研究生活で自分なりに改善、対処する方法を確立してはいた。そして社会人になって、その学生時代の経験を活かして複数の様々な仕事に取り組んでいたつもりでいた。当然一つ一つの仕事に対してゆっくり考える時間をとれないことが増え、自信の仕事のやり方は限界を迎えていた。

梅雨真っ只中のある日のこと、自分の仕事内容を共有することがあった。たまたま複数の仕事の〆切が次から次へと迫っていた。全体的に自分が苦境に立たされていることは感じていた。そして共有の場でこれまでの自分のやり方はもちろん、今いる立場を否定される場面に遭遇する。

振り返ってどんなフィードバックを受けたか覚えていない。ただそれは確実に自分の心に深く突き刺さった。さらにフィードバックを受けた場もよくなく自尊心も傷つけられた。頭が本当に真っ白になり完全に自信を喪失した瞬間を鮮明に覚えている。数日はその時のことが頭から離れず、薄暗く湿度の高い自宅で自然と震えることもあった。今もフラッシュバックし、気づいたら奇声をあげていたことがしばしばある。

その後も自分にとっては過度なフィードバックを受け続けることになる。たまにそれに裏切られながら。自分の中では前向きに仕事のやり方を変えようと試みていた。それからの経験が、冷たい雨の日にあきらかになった心の病の原因の一つになっていることは言うまでもない。

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