焼く。
こんにちは。
今日は、「焼く」という話。
コーヒーの焙煎もそうですが、焼いてモノを作るって面白くて大好きです。
焼いて美味しく仕上げる。焼いて美しい形を作る。
いろいろありますが、私はコーヒー屋なので、やはり焼いて美味しいものを仕上げることには最も興味があります。
焼き鳥屋をやっている友人がいますが、かなり昔にも「焼く」について語り合ったことがあります。
この「焼く」は、人それぞれこだわりがあり、人それぞれ違って面白い。
彼は、焼き鳥屋ですので、焼き鳥の焼き方にこだわっています。
一番面白かったのは熱源について。
彼は当時、焼き鳥の熱源は電気が一番良いと言っていました。
今は変わっているかもしれません。笑
それでいいんです。
あくまで当時。そして、あくまで彼の当時の考え方であることをご了承ください。他を否定する情報ではないです。
大きく分けると、焼き鳥に使われる代表的な熱源は、「ガス」「炭」「電気」です。
まず、ガスはガスの炎と一緒に水分がたくさん出ているため、表面だけが焼けやすく、内部の火の入り方をコントロールしづらいので、ガスはまず無し。
次に、炭火は水分を発することがなく、遠赤外線効果があってガスよりも水分を飛ばしやすく焼きやすい。
しかし、焼いている時に脂や肉汁が落ちて、煙が上がって燻されます。この「リバース」した燻り臭は、彼に言わせると「燻製」であり、鶏肉の風味が無くなるので無し。
もちろん、この燻り臭が「炭の香り」とされて、売りにしているお店もありますので、それはそれ。
最後に、電気は水分を発することもなく、脂や肉汁が落ちても。臭いがリバースすることが少ないので、純粋な鶏肉のフレーバーを楽しんでいただける。
とのことで、電気を選んでいたようです。
その話をしたとき、本当に皆それぞれこだわりがあるんだなぁ。。。と思うと同時に、コーヒーやお菓子と同じだなぁ。。と、嬉しかったのを覚えています。
脂が落ちるようなことはありませんが、コーヒーの焙煎機も似ています。
ガスの炎と一緒に水分が出ているので、実は直火が一番焼けにくいです。焙煎している間、コーヒー豆はずっと直接水浴びをしながら水分を飛ばされる感じです。
豆の表面が焼けやすいのはこのためで、決して芯まで焼けやすいわけではありません。
ですので、手網焙煎で上手に焙煎している人を見ると、すごく尊敬してしまいます。
オーブンも同じです。
今回、菓子製造の工房を新たにオープンしますが、オーブンがガス窯に変わりました。
着火した瞬間、窯の扉のガラスが水蒸気で曇ります。焙煎機の窓と同じですね。
ガスオーブンはサクッと焼けると思い込んでいる人もいますが、窯内に籠る水分が多いため、しっとり優しく上品に焼き上がります。
電気オーブンや、電気コンベクションオーブン(熱風式)の方が、サクッと仕上がります。
もちろん、ダンパー(排気弁)の開け閉めでも仕上がりがかわるので、コーヒーの焙煎が上手な人は、皆さんおそらく「焼く」がなんでも上手なのだと思っています。
「焼く」って、本当に面白いです。
「炎の魔術師」を目指したい、今日この頃です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
では、また。