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鬼無里白馬戸隠 Crossroads133km

序章

今年のゴールデンウィークは久しぶりに針ノ木岳へ滑り納めに行こうと計画していたけど、娘が帰省して「高原を散策したい」というので、斑尾高原の沼の原湿原に連れて行ったり、下の娘の通学用自転車を見に行ったりと何かと野暮用が重なり、山スキーには出かけなかった。

斑尾高原 沼の原湿原
規模も大きく、近場にこんな素敵な場所があるとは知らなかった。


それは言い訳で、年齢を重ねる事に年々、不甲斐無さに輪を掛けて長野で言う「ズク」が無くなって来たせいだと思う。
結局、今シーズンの山スキーは戸隠の「佐渡山」と鍋倉高原の「黒倉山」へ行っただけで、滑り納めは次女と4月下旬に「焼額山スキー場」に行ったのが最後となってしまった。
そんなゴールデンウィーク空けの日、地図を見ながら、未だライドした事の無い地元の道や峠を繋ぎルートを作成した。
各Stageに峠が有り、インターバルライドに出かけた。


コース概要

作成したルートの概要は、南長野運動公園を起点として、県道406号入山小市線、「小田切集落の峠」を目指し、裾花ダムに下りる。
そこから鬼無里と白馬村の境にある「白沢峠」を超えて国道148号を左折して白馬駅を通過、県道33号白馬美麻線、通称オリンピック道路を小川村まで進み、県道36号信濃信州新線「小川アルプスライン」を左折して「大洞峠」へ。
鬼無里へ下りて裾花川を渡り、此処でCrossroadsとなり、そのまま「大望峠」を超えて戸隠村へ。
バードラインに行かず、県道76号の芋井集落を下って県道406号、国道117号を繋ぎラウンドする8の字ルートだ。
作成したルート図を見て見ると、距離132.77km 総上昇量は2452mと出た。

小田切峠、白沢峠、大洞峠、大望峠主に四つの峠を越えるルートだが
グラフをみると主に五つの峠を超えている
丸の中の数字は距離

Stage1:県道406号入山小市線

距離19.5km  獲得標高503m
スタート地点から入山小市線の起点となる「小市西」の信号まで8.9km、ここから小田切支所のある峠まで5.8km、平均勾配6.3%の登りをこなすと、裾花大橋までのダウンヒルだ。
小田切地区のこのルートは、南側の小市地区に「犀川」が流れていて,
その昔「小市の渡し」から巡礼の為の戸隠方面に通じる古道だった。
現在は「小市の渡し」は小市橋があり、跡地を示す看板だけが立っている。
峠には、小田切支所があり、峠の名称は特に無かった。
その峠の手前に「大字塩生甲」という地籍があり、長野市指定天然記念物の「塩生のエドヒガン(巡礼桜)」がある。
既に新緑の時期で、桜の葉がたわわな様子は、推定樹齢1500年と言われ、生命力の強さを感じざるえなかった。

桜が満開の時期に訪れた事がある
夜空を独り占めにする尺玉花火の様だった。

Stage2:裾花大橋から白馬駅

距離36.3km  獲得標高689m
裾花大橋を渡ると、トンネルがいくつもあり、後続の車に気を遣う。

県道406号入山小市線は
裾花大橋の袂に接続する。


この県道406号は、戸隠、鬼無里方面で生活している人達の生活道路であり、裾花川の渓谷に沿った細い道で、冬場の除雪や採石場があり、大型ダンプが年間を通して走っているので、不便で仕方なかったが、現在ではトンネルや橋が建設され、一部を残すだけで、ほぼ直線の広い道となっている。
鬼無里地区に入ると「松厳寺」の手前でT字路となり右へ行くと「信濃信州新線県道36号」戸隠方面へ続く。
白馬村、小川村を周りこの道へ戻ってくる予定だ。
左折して白馬方面に暫く行くと、「ふるさと鬼無里」があり、最初の休憩を入れた。
「十割蕎麦」の看板があり、これから向かう白沢峠に備えて腹拵えをしようと思ったが、未だ営業前の為諦めた。
駐車場は観光客で溢れていた。
一人のローディーが居たが、軽く挨拶を交わし先行したが、ついてこないところを見ると反対方向へ行った様だ。
途中、奥裾花温泉 鬼無里の湯で暑くなって来たので、ウィンドブレーカーを脱いだ。

奥裾花温泉 鬼無里の湯にある水舎
自転車のカラーがカモフラージュしてるわ


ここから「白沢峠」迄、15.4km 434mの緩い登りとなる。
これくらいの勾配が心地良い。
白沢洞門を抜けると、目の前に飛び込んでくる白馬岳、唐松岳、五竜岳などの積雪期の景色が有名だ。
今日は曇りであまり期待はしていなかったが、雲がかかっているものの、残雪を纏った優勢が見れて苦労して此処まで来た甲斐があった。

白沢洞門の入口
此処を抜けると…
残雪の後立山連峰が現れる
曇りだが、白馬三山、唐松岳
五竜岳が見えた


あまりゆっくりしてもしていられず、白馬駅迄のダウンヒルを急いだ。
途中、もう一箇所の名所「大出の吊橋」にも寄った。
定番のヴューポイントには、大勢のカメラマンがいて、賑わっていた。
僕も何枚か「大出の吊橋」が入る様写真に収めた。


Stage3:白馬村から小川村

距離20.5km 獲得標高125m
小川アルプスラインに取り付く前に、腹ごしらえをしておかなくては、と食堂を探しながらライドしていると、ラーメン屋ばかりで、何でこの国はラーメン屋が多いのだろうと疑問に思う。
スープばかりに情熱を燃やし、麺に拘るラーメン屋は少ないのでは無いか。
麺が、国産の小麦、米粉、大豆粉、蕎麦粉などなら、喜んで食べても良いが、国は小麦以外の需要の拡大を疎かにしている為、消費者に届くまではコストがかかってしまい商売にならないのが現実だろう。
小麦の国内生産は、気候の条件で作ることが難しい為、9割が輸入である。
そもそも戦後、GHQによって食文化が変えられた。
花粉症や年々急増している癌の原因は、輸入小麦のせいだと色々な文献で目にする。
日本への輸出の安定供給の為、自国では禁止しているグリホサート農薬を使い、輸出コンテナの中では防カビ剤が噴霧されている。
そんな物を口にしていると思うとゾッとする。
最後のガソリンスタンドでは無いが、「ぽかぽかランド美麻」を過ぎれば、もう食べる場所は無いなと思い休憩も兼ねて寄った。
鬼無里で見た十割蕎麦が頭に有り、メニューを見たがあるはずも無く、「鹿肉麻婆丼」なるものを頂いて充電完了した。

Stage4:小川アルプスラインから鬼無里

距離12.1km 獲得標高500m
小川アルプスラインの峠には「星と緑のロマン館」という天文台と宿舎、大洞大池がありレジャー施設となっている。
峠の正式な名称は無く、大洞大池があるので、大洞峠と呼ばせて頂く。
大洞峠迄は7.5km 高低差494mで、勾配は約6.6%できつかった。
途中「高山寺・こうざんじ」という立派なお寺があり、敷地内の三重塔が見事だった。

高山寺の正門
中に入ると、1195年に建立されたという県宝三重塔が立派だった。

峠を超え、鬼無里側のアスファルトは荒れていて、良く路面を見ていないと危険で神経を使った。
勾配も無くなり、裾花川の橋を渡ると、往路の県道406号に合流して「Crossroads」となった。
「松厳寺」前の信号「鬼無里」のT字路を直進して信濃町 戸隠へ向かった。

小雨が降り始めた。

Stage5:信濃信州新線 鬼無里から戸隠

距離12.7km 獲得標高544m
いよいよラストミッション「大望峠」超えだ。
そういえば、先ほどから自転車マークの「Japan Alps Cycling」 の標識を所々で見かけた。

調べてみると
長野県一周サイクリングルート全長571.8kmのコースになっている。


県道36号信濃信州新線の鬼無里、戸隠間には「大望峠」があり、此処の展望台から戸隠山のP1・P2・P3が手に取る様に間近に見える。
この「大望峠展望台」までは7.6km高低差388mで平均勾配は5%だけれど、4kmを過ぎた辺りから前半の緩い勾配を補うように、一気にキツくなり、10%を越える勾配となった。
やっとの思いで辿り着いた展望台で、戸隠山の稜線をじっくり観察し、昔縦走した思い出にしばし浸った。

展望台から戸隠山
右からP1.
ポコが3つある長い尾根のP2.
左がP3.

もう登るのはゴメンだ!
後は下るだけだと展望台を後に暫く下っていくと…目の前の道が空に続いている様に見えてため息が出た。
結局、長野戸隠線に合流するまでの約2kmは登りだった。
小雨は降ったり止んだりで大したことは無かった。

Stage6: Gole 哀愁の芋井集落経由

距離30.1km 獲得標高347m
時間は16:30を回ってしまっていた。
133kmほどなので、休憩を入れて8時間もあればラウンドできるだろうと、高を括っていたが、既に9時間を回っている。
いい加減、登りはもう無いはずと先を急ぐが、芋井集落まで3箇所ほどまたしても登りがあり、泣きが入る。
造成された住宅地のカーブを曲がると、既に登りは無かった。
長閑な山村風景の芋井集落に癒されながら、急な坂道を下ると長野市街地にやっと辿り着いて、渋滞の車の隙間をすり抜けて、赤信号に何度か止められながら、17:30無事に戻ってこれた。

哀愁の芋井集落

自宅に戻り、自転車を洗い、洗濯して、風呂に入ってビールを頂いた。
今日もハードな1日だった。

7:Bird eye view

あとがき

疲れたが、体のダメージはそれほどでは無かった。
インターバル的に峠が4箇所あり、距離の割には時間が掛かってしまった。
200km未満なので、カテゴリーとしてはロングでは無く、ミドルライドだろう。
長野市は周辺を山に囲われているので、アップダウンを考えると、1日の走行距離は200km前後が今の自分の体力では限界だと思う。
小川アルプスラインの手前で食事を取ったのは正解だった。
あそこで補給の機会を逃すと、ハンガーノックと低血糖でタクシーを呼んだかもしれない。
携行ボトルが空になると、スポーツドリンクを自販機で購入し補充していたが、後味が悪く、気持ちが悪くなってくるので、ミネラルウォーターが抵抗なく喉に流し込める。
後は行動食とサプリを多めに携帯しよう。
山間部にコンビニは無いので。




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