人って突如消えることがある。あなたの周りの人消えていませんか?
こんにちは。とらねこです!
この時期になると思い出すことがあるんです。
あれこれ20年以上前の話になります…。
当時、わたしは大学のサークルのキャンプ部に所属していました。
一般人に交じって活動したり、他の大学の人と遊んだりするものでした。
先輩が後輩に食事をご馳走する…。謎の風習の中、ぬくぬくと活動させてもらっていたんです。
たしか、旅費も先輩が出してたと思います。
とある日、3年生のA先輩が就職セミナーに参加するからしばらく活動を休みたいという申し出がありました。
就職が決まった4年生の先輩は気楽なもので、大学生活最後のキャンプ生活を満喫していたんです。
就活は大変だからね...。
わたしなんか30社も落されたし、100社受けて1社も受からなかった人もいるらしいからね...。
心折れるよね。
そんな暗い話題が部室を澱ませていました。
3年生も他人事ではなく、次は我が番か...。というため息が聞こえていました。
でもA先輩は成績優秀だし、すぐに内定もらえるよ。
誰もがそう感じていたんです。
十数名の少ないメンバーのサークルだったので、みんな仲睦まじく活動していたんです。
今流行りの『冬キャン』では、テントと寝袋を持ってみんなで焚き火を囲んではよく遊んでいました。
いちばん最初に結婚するの誰だろう?とか、玉の輿にのる人いるかな…。とか、はたまた起業して社長になる人いるのかな?とか、夢物語のような話で盛り上がっていました。
「そういえば、A先輩まだ帰ってこないですね。」
とある部員がボソッと話します。
「まだ終活始まったばかりだし、そう簡単には決まらないよね。」
安心させる気遣いのできる娘がいた。
「A先輩の部屋に行ってみない?」
ちょっと顔を出すくらいなら迷惑にならないだろうと、若手が数名でA先輩のマンションを訪問することにしたんです。
「確かここの13階だったはず…。」
一度寝泊まりさせてもらった記憶を辿ってみました。
インターホンを鳴らすが誰も出ません。
メールをするが返信もない。
おかしいと思い、ポストを覗きに行ってみたんです。
すると、ポストから溢れるばかりのチラシやハガキがありました。
もしかして、家に戻ってない…?
誰もがそう感じました。
「13階のAさん、最近帰ってきています?」
管理人さんは、最近このマンションに転勤してきたようで、いい返事をもらうことはできませんでした。
メールの返信がないのも不自然ですし、わたしたちが勝手に捜索願を出すのもお門違い。
きっと帰ってくると信じ、冬を越しました。
わたしは2年生になるのを目安に、キャンプ部を退会しました。
あの件依頼、何となく居心地が悪くなったからです。
わたしだけでなく、当時の1年生は全員解散することになったんです。
2年生だけがガランドウになったキャンプ部は、1年生の新入会でまた賑わっていました。
後輩に食事をご馳走する…。という謎の風習だけが部を支えていたようです。
その先輩が返ってきたかどうかはいまだに分かりません。
🔽ビジネスパートナー
ビジネスパートナーの会員は
毎回紹介されます。
知名度を上げたい人はご参加ください。
【企画】『言われるとうれしい一言』実施中!
✅Takashi Chibaさん
✅南方郵便機さん
✅レオンさん
✅一ノ瀬瑠奈さん
🔽とらねこ村
✅共同マガジン
✅前回のおはなし
サポートは共同運営マガジンや執筆活動に使われています。