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ファンとビジネスファン。この違いが収益化の分岐点になる。

割引あり

25歳、会社員。名は藤堂誠(とうどうまこと)。
大学時代からSNSをやっていたが、彼女いない歴=年齢のまま社会人となり、趣味の投稿が唯一の楽しみだった。
しかし、同年代の友人たちが次々と副業やSNS収益化で成功していくのを目の当たりにし、誠の心に一つの野望が芽生える。

「俺もSNSで稼ぎたい……!」

無計画な挑戦。
始まりはいつも唐突だ。
誠はこれまで趣味として投稿してきた映画レビューや書評を収益化するため、フォロワーを増やす計画を立てた。
「まずはインフルエンサーっぽくするんだ。で、広告案件を引き寄せる!」

理想と現実のギャップ。
しかし、フォロワーはそこそこ増えても、収益化の兆しは一向に見えない。
「なんでだ……みんな『いいね』は押してくれるのに、商品リンクは誰も踏まないんだよ!」
悩み続ける日々。

ある日、SNSで知り合ったライフハック系アカウントの運営者、「七海(ななみ)」という女性とDMで会話する機会が訪れる。
「誠さんの投稿、面白いけど、収益化には向いてないかもですね」
その一言に、誠の胸がざわついた。

「どういうこと?」
勇気を出して尋ねると、七海から丁寧な返信が返ってきた。
「誠さんのフォロワーさんは『ファン』なんです。商品を買う『ビジネスファン』とは違いますよ」

未知の概念との遭遇。

「ファンとビジネスファンの違い……?」
七海は続けた。
「ファンは誠さんの投稿を楽しむ人。ビジネスファンは、誠さんが勧める商品やサービスにお金を出す人です」

誠は混乱しながらも、七海の説明を黙って聞く。
「例えば映画レビュー、みんな『面白かった』って思っても、それが広告リンクにつながらないのは、『映画そのもの』が好きだからなんです。誠さんが好きなわけじゃないんですよ」

核心を突かれる言葉。
誠は言葉を失った。

自分の存在価値。
誠は思い悩む。
「俺の投稿って、ただの情報提供だったのか……?俺自身には価値がない?」

七海からのさらなる助言。
「価値がないなんてこと、ありませんよ。ただ、収益化を狙うなら、『誠さんにしかできない価値』をもっと強調しないといけないんです」

「俺にしかできない価値…?」
誠は自分の投稿を見返し、初めて気づいた。

表面的なフォロワー数にとらわれた愚かさ。
誠は七海に感謝しつつ、新たな方向性を模索し始める。
自分の視点、自分の言葉、自分だけの経験。
それをどのように活かせば、人の心を動かし、行動させられるのか。

誠の新たな挑戦は、見えない霧の中を歩くようなものだった。
「俺にしかできない発信ってなんだ?」
悩み続ける中で、七海に再び相談することを決意する。

「七海さん、俺、自分にしかできないことってなんなのかわからないんだ」
正直な思いを打ち明けると、七海は少し考えてから答えた。
「誠さん、これまで投稿してきた中で一番楽しかったのって、どんな時ですか?」

「楽しかった時…?」
誠は少し考え込み、思い出す。
「映画レビューを書いたときかな。ただの感想じゃなくて、自分がどう感じたか、どう変わったかを書いてみたら、意外と反応が良くて…」

七海の目が輝いた。
「それです!それが『誠さんにしかできない価値』なんですよ」

七海の言葉に、誠の胸の中に小さな灯がともる。
「自分がどう感じたかを伝える。それが俺の強み…?」
それはありふれたことに思えたが、七海の表情は真剣だった。

「レビューなんて誰でも書ける、そう思われがちですけど、誠さんの文章には『誠さんの視点』が詰まってる。それが人を引きつけてるんです。もっとそれを伸ばしてみてください」

誠は七海のアドバイスを胸に、次の投稿を作り始めた。
「ただのレビューじゃない。俺自身を見てもらうための投稿だ」
これまで他人にどう思われるかばかりを気にしていた自分とは違う、新しいスタートだった。

最初の挑戦。
誠は、新たなレビューを投稿する。映画そのものだけでなく、自分がその映画にどんな感情を抱いたのか、どういう思い出と結びついたのか、正直に書き込む。

投稿後の不安。
「こんなこと書いて、誰が読むんだよ…」
深夜、一人で画面を見つめながら、誠は心の中でつぶやいた。

しかし翌日、予想外の反応が返ってきた。

コメント欄に並ぶ言葉。
「こういう視点、素敵だと思います!」
「私も同じ映画を見たけど、誠さんの感想を読んで、違う見方ができました」
「次のレビューも楽しみにしてます!」

嬉しさと戸惑いが入り混じる感情。
「これが…俺にしかできない発信…?」

初めての成功体験。
その日、誠は少しだけ自分を信じられるようになった。

それでも、収益化への道は遠い。
ファンとビジネスファンの間にはまだ大きな壁がある。
「この調子で続けていれば、いつか…本当に俺で稼げるようになるのか?」
誠の心には、期待と不安が交互に押し寄せる。

そんな中、七海からまた一通のDMが届く。
「誠さん、次は『コミュニティ』を意識してみましょう」

「コミュニティ?」
七海からのメッセージを見た誠は首をかしげた。
「俺、そんなの作ったことないけど……」
半信半疑のまま、七海に詳しく聞いてみることにした。


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※病気で長期療養中らしいです
itom(あいとむ)

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「誠さん、収益化したいなら、ただ投稿するだけじゃダメなんです。フォロワーとの関係をもっと深めて、『誠さんに会いに行きたい』って思わせる場を作る必要があります」

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