超難問!カルネアデスの坂。彼がとった選択は正しかったのか?
昔々、ある海辺の町に、「カルネアデス」という名の坂がありました。
この坂は、険しくて長く、登るには非常に苦労することで有名でした。
しかし、頂上にたどり着くと、青い海が広がる絶景が待っており、多くの旅人や町の人々がその景色を見ようと挑戦したそうです。
しかし、この坂には奇妙な噂がありました。
これが本当かどうかを確かめた者は少なく、その内容を話す者はほとんどいませんでした。
それでも、「カルネアデスの坂を登る」ということは、町では「自分の信念を試す」ことの象徴として知られるようになりました。
坂を登った若者
ある日、一人の若者が町を訪れました。
彼の名はアリオス。
旅人であり、自分の生き方や信念について深く考えていた彼は、カルネアデスの坂の噂を聞きつけ、興味を持ちました。
「本当に信念が試される坂なんてあるのか?それなら、自分の覚悟を試してみよう」と思い、彼は坂を登り始めました。
最初はゆるやかで心地よい道でしたが、途中から坂はどんどん急になり、足場も不安定になっていきます。
疲れ果てた彼がようやく頂上にたどり着いたとき、目の前に老人が現れました。
「よく来たな、若者よ」と老人は言いました。
「ここに来た者は一つの選択をせねばならぬ。どちらを選ぶかで、おぬしの信念が試されるのだ。」
試練の選択
老人が手を差し出すと、そこには2つの壺が置かれていました。
一つは黄金の壺、もう一つは透明なガラスの壺でした。
老人は続けます。
「黄金の壺には富と名声が詰まっておる。しかし、これを選べば、他の誰かがその代償を支払うことになる。」
「透明な壺には清らかな水が入っておる。ただし、それを選べば、おぬしは何も得られないが、他の誰かの命が救われるのだ。」
アリオスは悩みました。
黄金の壺を選べば、自分の人生は楽になるだろう。
しかし、他人を犠牲にしてまでそれを手に入れるべきだろうか?
一方で、透明な壺を選べば、自分は何も得られない。
ただ誰かが救われるというだけだ。
信念の行方
悩んだ末に、アリオスは透明な壺を手に取りました。
その瞬間、壺の中の水が光り輝き、彼の周りの景色が変わり始めました。
すると、先ほどまでいた老人は消え、眼下には広大な町と海が広がっていました。
不思議に思ったアリオスに、町の老人たちがこう言いました。
「おぬしはカルネアデスの坂の試練を乗り越えたのだ。その壺を選んだということは、自分の信念を守り、他者を思いやる心を持つことを証明したということだ。」
それからアリオスは町を離れ、自分の信念を胸に新たな旅を始めたのだった。
新な旅立ち
旅を続けていたアリオスは、船でとある島にいくことにしました。
船には数名の乗客がいて、長い船旅を楽しんでいました。
そして、その中の女性と恋に落ちました。
彼女の名はオルビス。
歳が近かったふたりは語り合い、今後の人生を共に歩むことを誓いました。
港を出港してから二週間後、船が嵐に巻き込まれました。
大海原のど真ん中で、揺れる船の中、二人は抱き合いながら神に祈ったのです。
「どうか無事でありますように」と。
しかし、願いは届かず、ふたりは船の外に放り出されてしまいました。
ほかの乗客も荒れ狂う海の中で救命ボートを求めています。
救命ボートに乗れるのは10名。
アリオスとオルビスが救命ボートを見つけたときには、すでに9名が乗っていました。
冬の冷たい海の中、アリオスはオルビスをボートに乗せる選択をします。
オルビスは冷たい水の中でもがくアリオスに必死に声をかけ、ふたりの未来を語りましたが、体温を奪われたアリオスは意識を失い海の底へと沈んでしまいました。
彼の選択は正しかったのか、それとも誤っていたのか。
彼の想いはオルビスの胸の中で大切にされたそうです。
しばらくして、オルビスは子どもを授かります。
アリオス似の元気な男の子です。
優しく抱きしめ、ふたりでオルビスの分まで人生を歩むことを心に決めたのでした。
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