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大全集無視の戦闘力考察⑦~ギニュー特戦隊戦~【ドラゴンボール考察】

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前提

  • ドラゴンボール大全集やその他設定資料、アニメ版、劇場版、ゲーム作品、超などの続編作品、鳥山先生の談話等は無視し、原作漫画版の描写のみを正とする。(ただし、作中に判断材料が無い場合は参考に用いる)

基準

  • 全く手も足も出ず瞬殺される場合は1.8倍以上の差があるものとする。

  • ある程度戦えてはいるが勝ち目が薄いと思われる場合は1.4倍前後の差があるものとする。

それでは引き続き、ギニュー特戦隊戦の戦闘力について考察していきたい。

悟飯とクリリンの戦闘力

最長老に潜在能力を引き出してもらった悟飯とクリリンは、大幅に戦闘力が上昇する。

こいつは意外だったな
あのチビたち戦闘力が10000を超えやがったぜ

出典:ドラゴンボール完全版19巻

この発言はスカウター実測後であり、彼らの戦闘力が10000以上なのは確実だろう。ただ言葉の印象として10000を大きく上回っている感覚は無く、1万台後半ということはなさそうだ。11000~13000の間くらいが濃厚だろうか。

また、悟飯とクリリンの差もあまり無いと思われる。もし大きな差があれば「特にあのおかっぱのほうは~」などの言及があってもおかしくないのだが、ここでそういった描写は無かった。
悟飯よりクリリンのほうが気のコントロールに長けていることから、この時点ではそこまでの差は生まれていなかったのかもしれない。

あまり明確な根拠は無いが、ここでは決めとして悟飯13000、クリリン11000と想定したい。

グルドの戦闘力

次に彼らと戦うグルドについて。
クリリンはグルドに対して以下のように言及している。

あ・・・あいつ・・・・・・・・・
あいつだけはてんでたいしたことないぞ・・・・・
な なんであんなやつがまじってんだ・・・・・・・・・!

出典:ドラゴンボール完全版19巻

この「てんでたいしたことない」というのは恐らく他メンバーとの比較だけではなく、自分の常識と比較してという意味も含まれるだろう。
この時のクリリンは潜在能力を引き出してもらってからまだ時間が浅く、戦闘も経験していなかったことから、感覚をアジャストできていたは言い難い。そのクリリンが「てんでたいしたことない」とまで言うということは、実はグルドの戦闘力はものすごく低いのではないだろうか?

実際の戦闘描写も見てみよう。
グルドは悟飯とクリリンの動きが全く追えておらず、そのスピードに驚愕していた。

出典:ドラゴンボール完全版19巻
出典:ドラゴンボール完全版19巻

また、グルドの動き自体も非常に鈍い(普通に走っている)。

出典:ドラゴンボール完全版19巻

時間を止めている最中に消耗の大きい高速移動はできなかったとも考えられるが、それにしたってあまりにもスピード感が無すぎる。時間停止には制限時間があることだし、速く動けるならさすがにここまで悠長にはしないだろう。
グルドは速いスピードでは動けず、戦闘力もそれ相応のものしかなかったのではないか?

グルドは1万以上の悟飯とクリリンの動きが全く追えていなかったことから、戦闘力5000より下は確実だが、この動きの感じからすると、ナッパやラディッツどころか天下一武道会の悟空よりも下なのではないだろうか。なにせ普通に走る程度のスピードなのだ。

これらのことを踏まえ、少し尖った結論ではあるのだが、ここではグルドの戦闘力は300と想定したい。
300はラディッツ編頃の平常時天津飯より少し高い程度である。グルドは直接の戦闘能力は平凡な地球人の中の達人程度しかなかったのだ。

一応名誉のために言っておくと、戦闘力が低いからといって、グルドが弱かったかというとそうでもない。悟飯とクリリンは金縛りの術で全く動けなくなっており、(あの木が刺さるかはともかくとして)そのままだと負け確の状態だっただろう。

また、グルドには金縛りや時止めだけでなく、さらに別の超能力の存在も示唆されており、多様な能力を持っていたと思われる。

よし 黄色い服のガキをこいつでかたづけたらもう一匹はちがう超能力でジックリ遊んでやるとするか

出典:ドラゴンボール完全版19巻

いずれにせよ時止め、金縛りだけでもサポート役として考えれば驚異的すぎる能力であるし、もしギニュー特戦隊がチームで戦っていれば本気の悟空ですら危なかったはずである。グルドはギニュー特戦隊の力を最大化するキーマンなのだ。

なお、グルドが多様な超能力を使えるとすると、移動の際に他のメンバーの飛行速度についてこれたのも、超能力でくっついて引っ張ってもらっていたからで確定と思われる。

出典:ドラゴンボール完全版19巻

見づらいがギニュー隊長の次、2番目にくっついて移動している。思えば決めポーズの立ち位置もすぐ右隣だし、実はグルドは隊長の右腕的な存在だったのかもしれない。

リクームの戦闘力

次に、リクームと戦ったのはベジータである。ベジータは以前の考察で36000と推測している。

この36000と比較する形でリクームの戦闘描写を見ていきたい。
ベジータは全力で気を高め、ザーボンの時のような先制攻撃を仕掛ける。

出典:ドラゴンボール完全版19巻

顔面に1発、両腕ハンマーで1発、プロテクターを破壊するほどの膝蹴りを1発、そして投げ飛ばした後、ファイナルフラッシュと同じ構えからエネルギー波を連続で放っている。

出典:ドラゴンボール完全版19巻
出典:ドラゴンボール完全版19巻

汗をかいて肩で息をしており、相当に気を減らしているだろう。

出典:ドラゴンボール完全版19巻

しかし、攻撃を受けたリクームのダメージは浅かった。

出典:ドラゴンボール完全版19巻

ところどころ血を流すなどまったくの無傷ではないが、戦闘継続には全く影響が無い程度のダメージしか与えられていない。

この後は虐殺ショーである。
膝蹴りを見舞った後、舐めプで格闘をこなし、

出典:ドラゴンボール完全版19巻

ダウンしたベジータへの追い打ちは躱されるものの、圧倒的な速さで後ろに回り込み、海に叩き落とす。
ベジータも海から飛び出して反撃するが明確なダメージは無く、ザーボンの時のように地面に叩きつけられてジエンドだ。

出典:ドラゴンボール完全版19巻

最後に顔面にエネルギー波を見舞うなど心は折れていなかったが、ベジータは瀕死の状態となった。

戦況をまとめると以下のような形になる

  • ベジータは全力で攻撃を叩き込み大きく消耗するが、リクームは軽くダメージを食らった程度だった

  • リクームの3発の決定的な攻撃にも一応は耐えた

  • 所々反撃を行い、リクームも完全に無傷ではない

  • 舐めプ気味だが、ところどころベジータを「やるじゃない」「いいね」など評価もしている

これらの描写からすると、ベジータは初手の大きな消耗があったにも関わらず割と戦えてはおり、「手も足も出ず瞬殺される基準」の1.8倍よりは差が小さいように思える。

初手の攻撃でさほどダメージを負わなかった部分は気にはなるが、リクームのタフネスによるもの(体力値は減ったが元が多すぎて効いてないように見えた)と考えれば説明はつくだろう。

それらを踏まえ、ここではリクームと万全のベジータ(36000)は1.5倍の差とし、リクームの戦闘力は54000と想定。また、初手の消耗後のベジータの戦闘力は1.7倍差弱となる31000程度と想定したい。

なお、この54000の裏付けとしては、リクームを倒した悟空に対してのギニュー隊長の発言が参考になるだろう。

オレの見立てではあいつの実力は戦闘力60000ほどとみた・・・・・・

出典:ドラゴンボール完全版19巻

この時点のギニューは悟空の戦いぶりを見ておらず、ジースからの報告もただ「あいつらがやられた」としか聞いていい。
そのため、ギニューはリクームたちがそこまで簡単にやられたとは思っていなかったはずであり、彼らの戦闘力を上回るが上回りすぎない感覚値として60000という数字を持ち出したのだと考えられる。

ジースとバータの戦闘力

ジースとバータは遥かに格上の悟空にあっさりやられる展開となっており、あまり考察の余地が無いのだが、参考になる場面としては以下のクリリンのセリフになる。

そ・・・そんなはずはない・・・・・・あ・・・あいつたちはベジータでさえどうしようもなかった あ・・・あのリクームってやつとおなじぐらいの気を持っている・・・

出典:ドラゴンボール完全版19巻

リクームと同じくらいということは、ジースもバータも54000前後と考えて良いだろう。

劇中の描写ではリクームがパワーとタフネス、バータがスピード、ジースが遠隔気功波という印象もあり、何となくではあるがパワーがあるリクームの戦闘力が最も高いようにも思える。
強い根拠は無いものの、ここではジースは52000、バータは50000と想定したい。戦闘力(気)はパワーと密接に紐づいている面もあることだし、屈強なリクームが一番上で、スピードタイプのバータが下というのは感覚的にはしっくりきそうだ。

まとめ

悟飯 13000
クリリン 11000
ベジータ 36000 → 初手の消耗後31000
グルド 300
リクーム 54000
ジース 52000
バータ 50000

ギニュー特戦隊の面々はギニュー以外、戦闘力の公式値が存在しないが、ゲームの設定では、SFCの超サイヤ伝説で64000前後、GBの悟空激闘伝で50000前後となっている。
グルドはゲームではそれぞれ13500、11850となっているのだが、原作描写だと悟飯たちの動きに全くついていけなかった点が強調されているため、やはり10000以上というのは考えにくいだろう。(アニメ版だとある程度攻撃を躱したりはしていた)

また、原作ではベジータに対し「20000近くまで上昇したぞ?」というセリフがあるのだが、これは誤植で後に「30000近くまで~」に修正されている。
いずれにせよ、その後は「お・・お・・お・・!?」という驚きの言葉に繋がっており、そこからさらに上昇したのも間違いないだろう。

余談

  • 本文中でも触れたが、グルドの能力は中々恐るべきものがある。何せ動きが全く見えないほど力が離れた相手を2人同時に完全に動きを止められるのである。動きを止めたところでギニューがチェンジすればどんな相手にだって勝てるだろうし、更に時間まで止められるのだから手に負えない。グルドを片付けた時、ベジータは「ホッとしてる場合じゃないぞ」と言っていたが、それはベジータ自身がホッとしたことの裏返しだったのだろう。

  • バータは自分のことを「俺のスピードは宇宙一」と宣言していたが、もっと圧倒的に速いフリーザがいるのに?と言われることがある。これは恐らくだが、フリーザが「ほっほっほ、バータさん、あなたのスピードは宇宙一ですね」と褒めたことがあるのではないか?そしてそれがお墨付きとなって宇宙一を名乗っているのだと考えられる。

  • ギニュー特戦隊はかなりバランスの良い組織と思う。ギニューはリーダーシップを発揮しつつも一歩引く柔軟性を持っているし、各メンバーは対等かつ、楽しそうに関わりあっている。そして戦闘面でもサポートに特化したグルド、タフで壁役に適したリクーム、スピードで掻き回せるバータ、遠距離気功波が得意なジース、そして圧倒的な強さと切り札を持つギニューとそれぞれの強みも異なっている。性格的な個性や遊撃隊的な役割も含めて、エピソードを作りやすい面々と思うのだが、スピンオフ作品が無いのが不思議である。

次回、界王拳悟空とインフレ問題へ続く。


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