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長編文学小説・MとRの物語

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Mというのは、あの、三島由紀夫さんのことです。三島由紀夫さんが現代によみがえり、女子高生とともに小説を書いていく、というお話です。ファンタジーっぽいですが、純文学です。
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2017年8月の記事一覧

24「MとRの物語(Aルート)」第二章 1節 夏休みと、春の雪

やっとたどり着いたよ、第二章。 MとRの小説談義。 (目次はこちら) 「MとRの物語(Aルート)」第二章 1節 夏休みと、春の雪  Mさんと出会ってから数週間、夏休みが始まった。私はしばらくは、コンビニのバイトはお休みして、Mさんと一緒に、小説に集中することにした。母もバイトを休むことに、賛成してくれた。 「はああ……」窓の外の、黒く曇り出した空を眺めながら、私はためいきをついた。テーブルの上には、「豊穣の海 第一巻・春の雪」が置かれていて、読みかけのページが開かれて

25「MとRの物語(Aルート)」第二章 2節 ショッピングモール

今回はいいプロットが浮かばなくて、 ほとんど「サイコ・ライティング」に頼り切り。 (目次はこちら) 「MとRの物語(Aルート)」第二章 2節 ショッピングモール  夏休みだというのに、Rは一日中、読書をしている。俺はそんなRの前の席に座り、新聞を読んだり、インターネットのニュースサイトをチェックしたりしている。Rに、少しは外に出た方がと言いたくもあるが、俺にとってこのような情報収集のための時間は、非常に重要であるし、それに小麦色にやけた女性の肌というのも、俺はあまり好き

26「MとRの物語(Aルート)」第二章 3節 母の記憶

人の心なんて、知らない方がいい。 悲しい記憶なんて、なくなればいい。 (目次はこちら) 「MとRの物語(Aルート)」第二章 3節 母の記憶 Rとショッピングモールに行ったその夜、Rの母親は、やはり残業で少し遅く帰宅した。食後のコーヒーを飲みながら、Rは「春の海」読了の話をした。母親はうれしそうに微笑んだ。 「すごいね。全部自分で読めたんだ。設定が大昔の日本だから、どこかでつまずくと思ったんだけど、大丈夫だったんだね」 「うん、あれ? って思う所はいくつかあったけど、大

27「MとRの物語(Aルート)」第二章 4節 右翼と左翼(未完成)

今回は、粗筋だけ。 完璧をめざして動けなくなるより、 少しでも前に進む方がいいという判断。 (目次はこちら) 「MとRの物語(Aルート)」第二章 4節 右翼と左翼(未完成) 今日もRは小説を読み、MはPCでニュースを見ている。 RがMに質問する。 「これって、ネトウヨ?」 「いや、そうじゃないな」Mが答える。 MはRに、「右翼」と「左翼」の定義を語る。 「ちなみに」Mは自分の名前で検索し、その結果をRに見せる。 「Mさん、右翼だったんだね」 「まあ、そう思われては