[旅のラゴス/筒井康隆]は読書復帰に最適
最近、本読みました?
読んでないですよね、Youtubeとかスマホゲーとかニコ動とかSNSとかで日々の自由時間が、いつの間にか失われている。そのくせ、満足感、達成感がゼロ。
「昔は本読んでたんだけどな〜」
「長編は読める気しないけどなー」
そんなあなたにおすすめなのが、筒井康隆さんの旅のラゴス。
主人公は旅人です。いいでしょ、主人公は旅人じゃないと読む気しないですよね。大まかな構成は、前半が短編が続いて、後半になるに従って一つのお話が長くなっていく感じです。久しぶりの読書にぴったり。
物語って、主人公に興味を持てないと読む気が起こらないけど、短編だと主人公がコロコロ変わって、毎回読み直すたびに主人公への感情移入のやり直しが入ってしんどい。長編だと読了感を得るのに時間がかかって読む気がしない。
ご安心ください、旅のラゴスは最初から最後まで、主人公は固定です、朗報ですよこれは。
ラゴスのイメージは、男の子みんな大好きフィリップマーロウほどタフでもシニカルではないですが、ドライでサバサバしてるので、きっと好きになりますよ。
後半は無双します。なろうみたいな鼻につく感じではないのでご安心を。
そしてお話の展開は、ドライにサラサラと進んでくれる。
ファンタジーだと設定を覚えるのだるいですが、大丈夫。
筒井康隆氏の超絶テクなら絹豆腐の喉越しのようにするーっと世界観が入ってきます。
正直、恋愛とかきつい、テンプレもきつい。
問題ないです、小便臭い恋愛とかそういうのもない。
これはもう40過ぎた我々にはありがたいですよ。
導入で、ラゴスに興味を持って、短編が続くんで読了感も得られ、旅の目的も気になり出したところで徐々に徐々に分量が増えていくという親切設計なので、これは介護食みたいな小説です。
無料漫画とようつべに時間を食われている元読書家の方、旅のラゴスで日常の知的活動を取り戻しましょう。